概要
これは、人間の救えなさを認めた先の、人間の可能性に光を当てた物語である
高校3年D組、僕のクラスに転校生が来た。名は乙顔さくら。彼女は、狐のお面を被っていた――
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!嗜虐性の裏に見える、人間の可能性
物語は、終始狐のお面をつけたままで、決して外すことのない転校生、乙顔がやってくるところから始まります。
明らかに異質な容姿と、クラスの誰とも交わろうとしない態度。
存在そのものが浮いて見えることから、次第に彼女は、クラスのなかで孤立を強めていくのですが──?
本作の魅力は、よくも悪くも人間らしい汚さと、主人公の成長が描かれているところでしょうか。
周囲と馴染もうともせず、淡々と日々を送っている主人公。
クラスを平穏にまとめるため、マニュアル通りの対応を見せる教師や級長。
妙な言動を繰り返す転校生に反発し、排除しようとたくらむ問題児たち。
様々な登場人物たちの行動を通じて、人…続きを読む