第十八話 春の風邪は風と共に
〇
「せん…い?」
そんな声が、頭の
「
きっとここは、部室のソファーの上か、もしくは自室の
だから
「仕方…いで…ね」
そんな声と共に「ふうっ」とこそばゆい風が、
「やっと起きた」
想像していた所と全く
実際にはそんなことは全然なく、ただ
「
「ええ。そりゃもう、ぐっすりと
「ご、ごめん! 帰りの
「うちまで送って行きますよ」
と
「だ、
と、そういった。
すると
「夜も暗い?」
とそう
……そりゃ、確かに
「いえいえ、そうではなくて。
誤解? 一体
「
「何時って……」
そりゃ、裏山から降りてきたのが十一時くらいだったから、今は深夜を少し回ったくらいだろうか。そう思いながら時刻を
「え? 五時半? 朝の?」
「ええ、そうですよ。五時半です。ですので、これから夜が暗くなるのではなく、夜が明るくなる時間なんですよ、
「そんな……、まさか……」
まさか車の中で一晩を過ごしてしまうことになるとは、思ってもみなかった。
てか、
女の子と一晩を過ごしてしまったということになるではないか!
これは秋月
「すみません。
「いや別に、君が
「どうですか? 今の時間ならきっと、暴漢も
「…………家まで送って下さい」
こうして運転席をチェンジした
〇
「へっくしゅん!」
そんなくしゃみが飛び出したのは、ちょうど
「いや、そんなはずはないんだけど。でも、どうだろう。ちょっと寒気が……」
「車の中が冷えていましたからね。もしかしたら体調を
「そうする。送ってくれてありがとう」
そう言いながら車を降りると、
「良いですか? 本当にきっちり体調を
とそう、言い残し走り去っていった。
階段を登り、自室の
〇
土曜・日曜と貴重な休日を保養に努めていた
病院に行こうとも考えたが休日でやっておらず、仕方ないので
それがいけなかったのだろう。
月曜日の朝になる
ちなみに、
でも
きっと、
「そうだ、
『ごめん、
すぐに、
お、早いな。と思い、次にどんなメッセージが来るのか期待していると、五分たっても十分たっても何もなかった。
「ま、まあこれは返事を必要としないメッセージだからな。うん。この
と、そう自分を
急に
ピロリン。
すると、一つのメッセージが入って来た。
『
若菜さんからのメッセージだった。さすがは若菜さん。こんな報告文にもきっちりと返信を
若菜さん
その効用を実際に経験した
とまあ、
『
「あっ」
週末から
○
視界はボヤボヤと
あれから何時間たっただろうと、
「うっぷ……」
急に
うげえええ。
呼吸も十分にできないくらいの
頭は痛いし、体は熱いし、意識は
…………。
やっと止まった
少しスッキリとはしたが、頭がグルグルとおかしい。
僕と彼女の事情 白玉いつき @torotorokou
ギフトを贈って最初のサポーターになりませんか?
ギフトを贈ると限定コンテンツを閲覧できます。作家の創作活動を支援しましょう。
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。僕と彼女の事情の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます