第二話 懐かしの大学
今、なんて言った?
聞きなれた単語が、おかしな文脈の中に
それはまぶしい光を放ちながら、キャンパスを
遠い
それがまさか、こんなところで、その名前を聞くなんて思ってもみなかった
『もしもし?』
せっかく忘れかけていたというのに、どうして今になって思い出さなくちゃいけないのだ。【天文同好会】というワードは、
てか、今
『もしもーし?』
いや、確かに
そんな
そんな
『あの、聞いてます?』
「え? ああ、はい、いや、え? もう一度お願いします」
『まったく。しっかりしてくださいよ。料金を
イヤミったらしく聞こえるのは、きっと
『だからですね【天文同好会】に
「……はあ」
『気のない返事ですね。念願の部員一名確保じゃないですか』
「部員が一名……」
『そうです。
卒業するときに自分のいた同好会がなくなっているなんて
……ん? なんだか、全然話が読めないのだが?
【天文同好会】は部員が集まらないと
……らしい、らしい。とまるで他人事のように話してしまって申し訳ないけど、でも、そんなことを急に言われても、
だって
なんとなく
二年前、
「…………」
それじゃあ若菜さんも、もういないのか。
二
『それで
新入生
それには確かに覚えている。サークルの
つまりはアホの
今、
「あの……。それならサークルについて、学務にでも聞いてみたらいいんじゃないかな? きっと
『あなたが部長なのに?』
「いや、そのことについては
「そんなの知ったこっちゃありません」
そりゃあ、そうなんだけどさ……。
『
「え? 会う?」
いきなりの提案に、
『そうです。これじゃ話が進まないじゃないですか。電話で話すよりも直接話した方が色々と伝わるだろうし』
「いやだから、学務に聞い……」
『大学の食堂で落ち合うってことでどうです? 今なら結構空いてますよ』
「いや、あのね……」
『それじゃあ
「あの……」
そういって電話は一方的に切れてしまった。
「……」
スマホをおっぽり出すと、ゴロンっと
もう一度スマホを
「あっ、九分も電話してた」
道理でこんなに
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