第十四話 夕暮れ時に……
〇
「もう
キキキキキッ、と
「もう出てきて
光と共に天使と
「
思わずそんな言葉が口を
「何それ、大げさすぎ」
若菜さんを見てみると、
「秋月君、鼻血出てるよ?」
「え?」
鼻を
「もう、ほら」
「すごいね」
そういうと
「
なるほど、それであんなに手当てが
「もしかしたら、将来は保険の先生になるかも」
「え?」
そんなことを聞いたものだから、
その時の仕草が余りにも
「あれ? ちょっと秋月君、
〇
「鼻血、
若菜さんの心配そうな声に
「はい、これ」
出された飲み物を「ありがとう」と受け取ろうとすると、
「ちょっと」
「それにしてもびっくりしちゃったよ。
本当に、若菜様様である。
「それで、どうしてあんな所にいたの?
まさか高野に
「まあ、良いや。君のコトだから、きっと悪いことではないと信じるよ」
あっさりと許してくれた。
「その代り、“貸し”一つだからね」
そういって片目を
「変わらないね、秋月君は」
カラカラと笑う若菜さんもお変わりなく。
「困った時、苦笑いと
いやはや、そんな所まで見られていたとは。ちょっと
「
チリチリって……。天然パーマって言って
「まあ、
そりゃあ、似合っていますとも。
「でも、意外だなあ。まさか秋月君とまたこうして話せるなんて」
まさか、若菜さんとこれだけ会話ができるなど、いったい
「だって秋月君、
不意に
「気づいてるんだからね。君が部室に来なくなったこと。君は勉強が
当時、
「傷ついた」
少し
「ううん。
そう言ってかぶりを
「あれから、色々考えたの。どうして君が
「ひどい話だよね。
……
「
「え?」
その
類に
「ごめんね、その日は用事があって……」
若菜さんを
しかし、それは
告白する前からフラれたと
二年
「ごめんね。ホントはもっと早く言わなくちゃいけなかったんだけど。でも、君も
そりゃ、若菜さんは悪くない。悪くないんだけど……。ぽっかりと空いてしまったこの気持ちはどうすれば?
あれ?
ということはつまり、
じゃあ、今はどう思ってるんですか?
「そっか、そうだったんだ……」
とただ笑うしかなかった。
「話したらスッキリしちゃった。そろそろ
告白の返事は聞けなかった。
でも、それで良いと思う。今は。
「あの!」
帰ろうと
「最近また、天文同好会が復活したんだ。昔みたいになれるかどうかは分からないんだけど、その、もし若菜さんが良かったらでいいんだけど――」
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