第四話 天文同好会
「プランって、何計画してるの?」
「まだ秘密です」
「
「え? あ、ちょっと……」
おかげで
他人ですら、ジロジロ見られて
「よう、なんか久しぶりだな」
高野はニヤニヤと
「お前、最近何してんの?」
「…………」
コイツとは同じ学科なわけで、だったら講義に
察しろよな。
「まあ、別に興味ないけどさ」
だったら話しかけてくんな。
高野はまたニヤニヤと人を見下すように笑っている。
つまり
「つうかお前、何持ってんの? そんなにたくさん」
「あっ、いやこれは……」
エロ本だけは
「ま、興味ないんだけど」
「…………」
だから、聞くな。
「あっ、そうだった」
高野は今気がついたような声を上げると、「これ見てみ?」と、
「なにそれ?」
「見てわかないのか?」
……わからないから聞いているんだろうが。無言の
「テニスラケット」
「テニスラケット?」
どういう風の
確かコイツにテニスの
というより運動
それが、テニス?
「ふっふっふ、聞いて
若菜さん?
久しぶりに聞いた
「お前ん所の……なんて言ったけ? 星、節、飯? まあ、その同好会が解散になった後、
何をぬけぬけと。
「運動なんか
「男子、三日会わざれば
なんのこっちゃ。お前は三年ぶりに見たって、何一つ変わってないだろうが。コイツのことだから当然、若菜さん目当てに入部したに
「お待たせしました」
「すみませんね、
「いや、
「はい。どうしても手帳を新調したかったものですから」
そいういうと
「……」
コイツの考えていることはだいたい想像できる。
その
その
その態度が高野にはつまらないらしい。容姿には自信のある男だから、その反応は頂けないようだ。少しコメカミがピクピクとしている。ざまーみろ。
それでもなお、
「お
去っていく高野の背中を見つめながら、
「いや、なんか道を聞かれただけ」
「そう」
ちょっぴりウソをついてしまったけれど、まあ、大差はないだろう。
「それじゃ、行きましょうか」
「えっと、どこへ?」
そんな疑問は
「どこって……。【天文同好会】の部室に決まっているじゃないですか」
〇
「ちょ、ちょっと待って……」
「待ちません」
サークル
「
二年ぶりに見たサークル
「去年新しく
「あ、そうなんだ。なんか、
「そうですか?
そうだろうとも。
新入生にとって
「さあ、行きましょう」
○
サークル
カースト制で、上層にいる部ほど上階の使用を許されていた。野球部とか、サッカー部とか、あとは
もちろん
そうはいっても、一階の
雑多な物で
「さあ
やけに興奮した様子の
しかし、
「ここは、開かないよ……」
興奮した顔が一転、
「どうしてです?」
簡単なことだった。
「なんと……」
期待が裏切られた分、
「部長なのに部室のカギを持っていないなんて……」
「だから、
「じゃあ、この
「……カギが無くちゃね」
ふと、昔の
確か
それがあれば、中に入れるな。
その
無言のまま
階段の裏側には、ちょっとしたデッドスペースが存在していた。
その中に一つ、タンスがあったはずだ。
それが流れ流れてこの階下に配置されたのだ。
タンスは昔と変わらず、ぽつねんと置かれていた。年代を感じる
「あった」
古びたキーホルダーの付いたカギが一つ、その存在を
「これで何とか入れるよ」
「あっぱれです」
「あ、あっぱれ?」
あっぱれなんて言葉、現代で聞くとは思わなかった。
「開けるよ」
キキキキとヒンジの
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます