概要
女軍人として白眼視されるヴィルヘルミナと、望まぬ結婚生活に鬱屈する高官夫人シャルロッテ。ふたりはかつて「戦友」として約束を交わし、女性を軽視する祖国でともに戦うことを誓った間柄だった。一通の脅迫状により、彼女たちは約10年ぶりの再会を果たす。
シャルロッテを守りぬくため、ヴィルヘルミナは部下を率いて敵に立ち向かう。ヴィルヘルミナに光を見、シャルロッテは夫の支配に抗い続ける。
しかし軍や国家、テロリストたちの思惑が否応なしに彼女たちを巻きこんでゆく。それはいつしか、国を揺るがす陰謀へと発展してゆき――
これは強くて弱い女たちが、それぞれの信念を貫いてゆく物語。
ちょっぴりミリタリ風の百合です。百合です。
当作品は小説家
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!私たちの心を抉り取り、決して離さない”最強の百合”
百合を書く人にはきっと、自分の百合観を決定づけるような"最強の百合"がいくつか存在する。私にとってこの作品はまさしく最強で、序を読み終えた時、ひたすらたまげて言葉にならないうめきを発しながら次の話を読むしかなかった。
ここには空気がある。
架空の国家で軍人百合を描くということ、それは百合を描くだけでは成り立たない(成り立ちはするのだけれど、それでは軍人というのはただの”タグ”になってしまう)。国を描き、社会を描き、組織を描き、キャラクターを取り巻く空気――全ての設定――が物語において百合の炎を燃え上がらせる薪となった時、軍人百合のボルテージは最高潮に達する。と、私は思っていて、ひたすらそ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!意思の強い女性が見れます
自分にできることなら全力でやってみせようという、高潔で強い意思を持っているのが良いところです。
また、様々なカップリングがあるのが最高にいいですね、ホントに!!言葉で表せないもどかしさを体験できますよ!
何か危ない目にあって怪我をするんじゃないか、男共が乱入してくるんじゃないか、最悪死ぬのではないか、そういう不安がありますけど、それを乗り越えて絆が深まってカップリングが成立するのではないかと、考えると幸せになれます。
ただ甘いだけじゃダメなんだ!不穏な空気が好きなんだ!という方にオススメします。
一話を読ん面白いと思った人たち正解ですよ!どんどん読み進めてこの世界に引き込まれていってください…続きを読む - ★★★ Excellent!!!可愛いだけじゃない、可愛げのない女達の百合があってもいいじゃないか
軍人百合という、(恐らく)極めて希少なジャンルの中、非常に高いレベルを誇る作品です。泥臭ささの中にも気品が漂っており、百合×軍人という、一見異色に見える組み合わせを上手く取り扱っています。
頭のおかしな女を百人くらい煮詰めて作ったようなキャラクター達が何人も出てきて、よく言えば個性的なんでしょうが……まぁ普通にどいつもヤバいです。
戦争がなければ彼女達だってこうは狂わなかった筈、とフォローしてみましたが、そもそも戦争がない国や時代に、彼女達の魂は輪廻してなさそうです。それくらいがっつり「軍人」してます。
そんな彼女達がこれから(こちらのレビューは2-20話時点のものになります)どんどん国と女…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ラノベと言うには勿体ない、いと尊き軍人百合
軍人百合と聞くだけで芳しい香りを感じたのですが、想像以上に尊くて重厚感があります。
ミリタリーものをあまり読んだことがない私でも、とてもワクワクする繊細な戦闘描写、そして生々しさすら感じる世界観。
女性が生きづらい世界で、それでも互いを信じ戦う姿は尊いの一言に尽きます。
そんなしっかりとした世界描写のもとに描かれるキャラクターたちもとても魅力的です。
部下に「ねーさま」と慕われる男装のヴィルヘルミナの格好良さに惚れ惚れすることは勿論、彼女との約束を胸に静かに戦う高官夫人のシャルロッテの姿には、少し危うさを感じながらも応援せざるを得ません。
一方、挟まれる閑話は個性豊かなサブキャラクター達の…続きを読む