In The City

作者 nns

156

52人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

この隔離空間に捕らわれた人間は死が確定しています。けれど、生きていられるのなら生きていたい、そういう人間として当たり前の感情で生に足掻くお話です。
実際にこの空間に捕らわれたらこうやって独自のコミュニティが形成されていくんだろうな、と思わせてくれる作者様の技量に感服です。

甘く灰暗いお話が好きな方はどうぞ一度読んでみてください、癖になりますよ。

★★★ Excellent!!!

爆発事故の隠蔽の為に隔絶された団地で生きる人々の群像劇です。

この作品では希望に満ちた明日に向かって生きる人々の姿は描かれません。描かれるのは朽ちていく人々がそれでも他者との繋がりに縋ろうとする姿です。
退廃的で死を強く感じさせられる作品ですが、この作品だからこそ見出せる女性達の掛け替えの無い繋がりがあります。

朽ち果てる団地に咲く百合を共に見届けましょう。


★★★ Excellent!!!

閉鎖空間×謎のガスの蔓延×群像劇×殺伐百合。いや、よくもこんなものを思いついてくれたなと膝を叩きました。完敗です。

話の内容は作品のあらすじ通りです。閉ざされた街でガスに侵されながら生きていく人々の群像劇百合。
もうこの時点で好きなのですが、限られた物資を分け合う描写や当番制の設定など、理不尽な極限状況に陥っても日々の生活を保とうとする一種の逞しさ、あるいは諦めが光る。
さらにメインカプ3組の他にも挿話で別の住民の百合エピソードが描かれており、狭い空間の豊かな世界観に溺れます。やり口が天才すぎる。年商5億円。

退廃的な設定、終わりへ向かう世界を生き抜く人々、その中で芽生えてゆく女たちの関係性。
どこかにピンとくるものがあれば絶対に読んだほうがいいです。というかこんなレビュー読む暇があったら1話目を読んでください。ほら早く。今すぐに。

★★★ Excellent!!!


舞台は事故によりコミュニティごと隔絶された炭鉱都市。仕事や家族や日常を奪われ、限られた自由と世界の中に囚われてしまった人々を描く群像劇です。

やや特殊な設定ではありますが、あくまでもそこに生きる人へ丁寧にスポットが当てられているため、物語へ没入することはそう難しくありません。世界観の提示も説明的な文章に頼ることなく、作中で起こる出来事や人々の口から点と点を結ぶように補完されていきます。
主題とは交わらない些細なエピソードや会話に交じる方言など、細やかかつ巧みに配置されたアクセントで登場人物たちの質感を補強していく手腕。そして忍び寄る病や狂気を感じながらも、それでも抗い生にしがみつこうとする人々の危ういバランスで成り立った生活に迫る描写が秀逸です。

日々の懸念やストレスで摩耗し、それらを他愛のない事柄に縋って忘れるだけの生活。たとえ光明が見えなかったとしても、不格好でも、誇りを持って生きるしかない。一見突拍子もない世界観でありながら、その実私たちが過ごす現代社会との類似点はそこまで少なくないことにすぐに気づくことができます。
彼ら彼女らの抱く感情や苦悩や欲求は、生き抜くという一点のために美しくも残酷に収束していくのです。

連載が始まって間もない段階ではありますが、既に魅力的な登場人物や伏線が次々と集まってきており、この物語の進む先が今から楽しみでなりません。
この群像劇が交差し始めた時に何が起こるのか。人々が何を望み、何を求めて生きるのか。練り込まれた箱庭世界にあなたも気づけば魅了され、読む手が止まらなくなることでしょう。