完璧な戦場描写から始まる、軍人もの百合。

事前の想像はおそらく、冒頭で既に裏切られる。
ーー貴様らは幸運だと誰かは言った。
ここから幸とは何かを抉るに至り、その凄みはあまりにも明白。

細かな表現にも「こう書くのか!?」と思わされること多々。
たとえば敢えての推測表現を使う事で部下との信頼関係を構築するシーン、
その発想(センス、と言ってもいい)からしてずば抜けてる。

……と言って戦場&不穏一辺倒ではなく、全体の筆致はむしろ軽やか。
笑って泣けて震えが来る、ものすごく楽しみな作品です。
興味を持った方はひとまず、ヴィルヘルミナと旧友の再会シーンまで読んでみて下さい。

その他のおすすめレビュー

祭谷 一斗さんの他のおすすめレビュー33