百合を書く人にはきっと、自分の百合観を決定づけるような"最強の百合"がいくつか存在する。私にとってこの作品はまさしく最強で、序を読み終えた時、ひたすらたまげて言葉にならないうめきを発しながら次の話を読むしかなかった。
ここには空気がある。
架空の国家で軍人百合を描くということ、それは百合を描くだけでは成り立たない(成り立ちはするのだけれど、それでは軍人というのはただの”タグ”になってしまう)。国を描き、社会を描き、組織を描き、キャラクターを取り巻く空気――全ての設定――が物語において百合の炎を燃え上がらせる薪となった時、軍人百合のボルテージは最高潮に達する。と、私は思っていて、ひたすらその興奮を探していた。
そしてその興奮を、社会を見つめる快楽を最大までぶつけてくれるのがこの作品だ。
世界に裏付けされた物語(百合)はひたすらに強い。いくら社会を描いても軽やかで読みやすく、いくら世界を描いても揺るがない百合は、まさしく"最強"である。
(ここから先は妄言に近いので、そろそろ序文を読み始めていいと思う)
カツカレーは美味い。カツとカレーは美味いから。ではその撃ちは。温玉チーズエビフライカツカレーである。軍人百合が、社会が、アクションが、政治が、個性豊かなキャラクターが、喧嘩を起こさず、絶妙な塩梅で提示され、語られる。シェフを呼んでくれ。完敗だし乾杯だ。上手すぎるし美味すぎる。
私は百合(軍人百合は特に大好き)とSFを愛するボンクラで、物語において描かれる社会の様子が大好きな、いわば「社会厨」である。まさかこの需要まで満たしてくれるなんて。
ただひたすら、感謝しかありません。本当にこの作品と出会えてよかった。
ありがとうございます。
自分にできることなら全力でやってみせようという、高潔で強い意思を持っているのが良いところです。
また、様々なカップリングがあるのが最高にいいですね、ホントに!!言葉で表せないもどかしさを体験できますよ!
何か危ない目にあって怪我をするんじゃないか、男共が乱入してくるんじゃないか、最悪死ぬのではないか、そういう不安がありますけど、それを乗り越えて絆が深まってカップリングが成立するのではないかと、考えると幸せになれます。
ただ甘いだけじゃダメなんだ!不穏な空気が好きなんだ!という方にオススメします。
一話を読ん面白いと思った人たち正解ですよ!どんどん読み進めてこの世界に引き込まれていってください!
最後に、グレーテル×エーリカを推します
ゆっくり、楽しめるように更新頑張ってください
軍人百合という、(恐らく)極めて希少なジャンルの中、非常に高いレベルを誇る作品です。泥臭ささの中にも気品が漂っており、百合×軍人という、一見異色に見える組み合わせを上手く取り扱っています。
頭のおかしな女を百人くらい煮詰めて作ったようなキャラクター達が何人も出てきて、よく言えば個性的なんでしょうが……まぁ普通にどいつもヤバいです。
戦争がなければ彼女達だってこうは狂わなかった筈、とフォローしてみましたが、そもそも戦争がない国や時代に、彼女達の魂は輪廻してなさそうです。それくらいがっつり「軍人」してます。
そんな彼女達がこれから(こちらのレビューは2-20話時点のものになります)どんどん国と女に狂わされていくと考えるとワクワクしますね。
文章も非常に読みやすいです。冒頭でレベルが高いと評したのは、作り込まれた設定ももちろんですが、ただ難しい単語を並べるだけではなく、読者が物語に入り込みやすいような配慮を随所に感じたからです。私も軍事モノは全く読まないクチでしたが、「応援ボタン」を押すのも忘れてスラスラと最新話まで読んでしまいました。
もっと多くの方に読まれ、評価されるべき作品だと思います。
軍人百合と聞くだけで芳しい香りを感じたのですが、想像以上に尊くて重厚感があります。
ミリタリーものをあまり読んだことがない私でも、とてもワクワクする繊細な戦闘描写、そして生々しさすら感じる世界観。
女性が生きづらい世界で、それでも互いを信じ戦う姿は尊いの一言に尽きます。
そんなしっかりとした世界描写のもとに描かれるキャラクターたちもとても魅力的です。
部下に「ねーさま」と慕われる男装のヴィルヘルミナの格好良さに惚れ惚れすることは勿論、彼女との約束を胸に静かに戦う高官夫人のシャルロッテの姿には、少し危うさを感じながらも応援せざるを得ません。
一方、挟まれる閑話は個性豊かなサブキャラクター達の百合風景を非常に楽しく魅せてくれます。「とある日曜日の駐屯地にて②」は反則級です笑い過ぎました、もっとください。
百合活劇という名にふさわしい作品です!