ロストデジタル～アナロギアンの逆襲

ある日、すべてのコンピュータ機器を使うものが不能となる。パソコン、家電、車、電車、飛行機、テレビ…。この状態を政府は「ロストデジタル」現象と名付けた。それを乗り切るには昔のアナログな昭和的な生活をするしかなくなった。コピー機の代わりにガリ版刷り、撮影はフィルム、録音はテープ…。子ども遊びも変化し、ビー玉やメンコが復活した。テレビもアナログ放送が復活する。
仕事も変化する。パソコンに頼らない、勘や経験、アナログな手作業が得意な人たちの再雇用が盛んになる。例えば、出版業界では、写植屋、版下作業などの職が復活する。
主人公はレコード会社勤務の穴見昭一だ。退職間際の穴見はアナログレコードが好きで、デジタルなものを嫌悪している。しかし、世の中が〝ロストデジタル〟となってしまい、心ならずもデジタルを復活…続きを読む