概要
夏、空蝉、入道雲。狭い部室に立ち込める、どこか懐かしい古紙の香り。
あの夏の日、私は、文章を書かない文芸部員に恋をしていた――。
どこか懐かしいような、夏の香漂う青春短編小説。
Twitterの診断メーカーのお題から生まれた短編です。続くかもしれません。
どこか懐かしいような、夏の香漂う青春短編小説。
Twitterの診断メーカーのお題から生まれた短編です。続くかもしれません。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!『感情』と向き合う人達
『感情がわからない』
友人に、後輩くんのような奴がいます。僕は彼がそう告げる度に、返すのです。
『そんなの、俺だってわからない。きっと、誰にも、深くはわからないことだよ』
それは冷たい返しかもしれないけど、僕にはどうしてもそうとしか思えなくて。感情なんて、わかるわけない。諦めてしまう自分がずっと胸の内に潜んでました。
だから、無感動な後輩の感情を切り開こうと努力をする先輩の姿が、美しくて。自らの混沌とした心と向き合いながら、彼の無感動な心を探りながら、変わっていく二人の様子が、奇跡みたいに輝いて見えました。夏の白昼みたいに、眩しくて、鮮やかな物語でした。