ぼくたちは、どうやらそこそこうまく暮らしているらしい。しかし、世界は広く、ぼくたちの生活の向こうではなにかが進行している。動き出した「運動」は止めることができない。いちばんの友達との別れ、そして世界(現実)の門口に立つこと。ぼくにとって(あなたにとって)のペンギンとの別れ。そして真実。旅が始まってしまった。解決を見せるのではなく、問いかける物語です。エピローグの手前、カクヨムユーザーならば自分なりの最終話を想像してしまうかもしれません。あたらしい物語の始まるきっかけにもなる。そんな広がりのある小説です。
五歳になると一羽のペンギンが与えられる。それは微笑ましくも思えるが、この世界の真実が剥き出しになっていくとあなたはペンギンから、人間から、世界から、目を背けたくなるかもしれない。その時、目を背けてもいいし、直視してもいい。どちらが正解なのかなんて安易な問題では無いというのは、心で理解しているはずだから。
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