ブルームーン　～震災悲話～

２０１１年３月１１日、業務上過失致死罪の容疑で留置されていた警察署が東日本大震災の津波で全壊しながらも九死に一生を得た児玉軍司は、翌朝、同房の５人と共に仮放免される。津波に被災した海岸沿いを徒歩で避難する途中、児玉は瀕死の城山香夜子をガレキの中から救助する。彼女を自衛隊の救護班に引き渡した児玉は、メルトダウン事故を起こしたと知らずに福島第一原発に近づき、青い閃光を見る。
やっとのことで川崎に帰った児玉は、原発事故の復旧作業員として売られて、再びフェリーで福島に向かう。しかし原発に行ったら命がないと知って相馬港から逃亡し、地廻りやくざの脇実組に転がり込んでガレキの不法投棄を始める。組長の脇田は運転免許証のない児玉に、津波で行方不明になった堂本賢治の免許証を与える。
児玉は脇田に命じられて不法投…続きを読む