概要
『第3回 カクヨムコンテスト 読者選考通過作品』
MV『命の天秤』絶賛公開中です!
https://youtu.be/zALFIYevNd0
ワシントン大学で心理学を専攻し、臨床心理士を目指す女子大生の高村 香澄をはじめ、友人のマーガレット・バートン、ジェニファー・ブラウンたちの青春を描いたヒューマンドラマです。そんな香澄たちのもとへ、知人で恩師でもあるハリソン夫妻から、教育実習の一環として心に傷を負った少年、トーマス・サンフィールドと出会いをテーマにした作品となります。
舞台がアメリカということもあり、学校のスケジュールや休みなどが日本とは一部異なっています。また『心理学』をベースに話が進みますが、話の本筋は『命』『心』『人の生き方』です。『補足
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!繊細な少年の心の震えを映し出した悲しみの記録―。
ワシントン大学で心理学を学ぶ日本人留学生高村香澄はゼミ担当のハリソン教授からの依頼で教育実習の一環として、両親を事故で亡くし、ハリソン教授の家で暮らすようになった少年、トーマス・サンフィールドの心のケアを行うため、友人、マーガレットとジェニファーを誘い、ハリソン教授の自宅で共同生活をはじめる―。第一章ではその過程や共同生活を通した出来事がそれぞれの登場人物の視点を織り交ぜながら細やかに描かれ、第二章ではすれ違いによりトーマスの心にどうすることもできない寂しさが生じ、そして終章へと続く悲しみの運命を導いていきます―。
「命」、「心」をテーマに登場人物のそれぞれの行動や心の動きを細やかに描くこ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!一番身近でいて、一番わからない自分の心――
主人公の香澄は担当教授の依頼で、ある少年のカウンセリングをする事になった。
しかしその少年は心に深い傷を負っていて、香澄や友人達は試行錯誤しながら自分達なりに少年との距離を縮ませていく。
この作品は『命』『心』等といったものをテーマにしていますが、暗く重苦しい雰囲気では決してなく、本筋は日常的な風景の中で進んでいきます。
しかしこの日常的な風景であるからこそ、テーマである『命』という言葉が胸に刺さってハッとさせられる。
この物語はそういうものだと、序盤から察する事ができる程流れるようなストーリー展開です。
一番身近で、それでいてあまり意識する事のない『命』の存在。
自分のもので…続きを読む - ★★★ Excellent!!!甘く切ないストーリーを疑似体験できる命のドラマです
臨床心理士を夢見る女子大生の高村香澄、そして両親が他界したことで生きがい・夢を無くした少年トーマス・サンフィールドの出会いを描いたヒューマンドラマです。
「命」「心」が大きなテーマとなっているため、登場人物の心の変化を繊細かつ丁寧に描いています。「心理学」がベースとなっていますが、知識のない素人の私でも問題なく読み進めることが出来ました^^
そして最大の特徴や魅力が、ドラマチックかつ空気感を大切にしているということです。
他の方の感想でも述べられていますが、この作品は日本小説よりも海外小説に近い作風です。ボリュームこそ多い作品ですが、書店で読む本の内容・パソコンを使って作成するレポート内…続きを読む - ★★★ Excellent!!!少年の微妙な心を捉えた作品
アメリカに留学中の香澄は、シアトルの名門ワシントン大学で出会った講師夫妻から、彼らが引き取ることになった少年の心のケアを頼まれます。
教育実習の一環として、不慮の事故で両親を失った少年のカウンセリングをしてみないかということでした。
香澄は友人のマーガレットとジェニファーとともに、少年――トーマスの面倒を見ることになります。
私は作者さまから、第2部から読んでも問題ないと仰っていただいたので、お言葉に甘えてそうさせていただきましたが、その言葉通り、つまずくことなくすんなりと読み進めることが出来ました。
その第2幕では、精神的にだいぶ回復されたと思われたトーマスの心の深くに残った傷と、それ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!1本の映画を観た感覚になれる、感動のヒューマンドラマ!
この作品を読み終えた時、実写化・映像化された洋画や海外ドラマの小説版を読んでいるような、どこか不思議な気持ちになりました。
「心理学」「命」「心」が大きなテーマで、第1幕では臨床心理士を目指す、女子大生の高村 香澄ちゃんが主人公、その友人マーガレット・ジェニファーらの成長が見どころです。肌に水が染み込むようなその作風は、まるで自分がその場にいるかのような気持ちにさせてくれます。
そして第2幕ではもう一人の主人公、トーマス・サンフィールド(通称トム君)君が主体となるお話です。トム君の心の葛藤や苦悩がテーマで、第1幕以上に内容が濃く、とても読みごたえがあります。時折涙を拭う場面が多いことも、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!命とは何か、心とは何か。
アメリカの大学を舞台に、臨床心理士を目指す日本人女子大生の成長が瑞々しいタッチで描かれています。
その筆致そして文体と作風が、まるで読者に洋書の翻訳を読んでいるかのような気分にさせるのです。そしてそれが見事なまでに本作品の雰囲気と絶妙にマッチしているのです。
本作のテーマは、タイトルにもあるように「命」、そして「心」です。
奇しくもこの2つはハートを意味する概念であり、心臓とは似て非なるものであります。
この一見避けたいようにも思える重苦しいテーマに、作者様は心理学を媒介としながら真正面かつ懸命に描こうとされています。
登場人物表や舞台設定、専門用語への解説など本作品への真摯で丁寧な作り込み…続きを読む