第十一話:改良竈と石窯と炭団
週末ウルの国へと異世界トリップして今回はキッチン方面を内政チートする。
ウルの国の竈は初期の周囲をレンガや粘土で囲ったタイプだ。このタイプは熱効率が悪く、お湯を沸かすのに約二時間近くかかるうえに、空気の取り込みに難があり不完全燃焼を起こす。
煙の処理も不十分で最悪一酸化炭素を大量発生させて健康被害を誘発する可能性が高い。
事実現代でも原始的な竈を使っているガスが通ってない地域の後進国などでは年間200万人が煙や不完全燃焼による空気の汚れが原因と思われる死亡例が発表されている。
改良方法は竈のしたの方から空気を取り込み、煙突をつけること。これで熱伝導率が従来の竈とくらべて20%上昇する。
職人に日本で作った設計図を渡して試作品を作ってもらう。ついでに炭団という燃料の作り方も教える。
炭団とは木炭の粉を丸めて固めた物で、固形燃料として使われる。
海外成年協力隊員時代にガスがない地域で木炭と一緒に製造方法を普及させている。
木炭の粉だけじゃ固められないので現代ではおかゆやデンプンや布海苔をつなぎとして固める。俺が教わった方法は乾燥させた馬糞と炭粉を混ぜたものだ。
家畜の糞と混ぜて作った炭団は従来の炭団より熱効率がよく、種火の状態で1日中でも燃焼し続けるため、火鉢やこたつ、煮物調理に向いている。
改良竈と合わせると薪燃料が従来の四分の一ですみ、熱効率も最大80%までいく。
ウルの国の人達に熱効率と言ってもキョトンとされたので水をお湯にする時間が最速15分以内に短縮できると言ったらナイスジョークと言われた。
まあ実際に稼働させればジョークか本当かわかるだろう。
最後に作るのは干しレンガを利用した原始的な石窯だ。都市部の空いてる土地に大型の石窯を作り、上下から炭を燃やして石窯内の熱を均等にする。
せっかくなのでピザを作ったら賢者のパンなんて名称がついてありがたられた。
この窯が崩れたら破片は廃棄しないように伝えておいた。
崩れた石窯の破片が耐熱性レンガの材料の一つになるのだから。
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