第十話:現代社会でちょっとトラブル


 現代日本へ戻って週末の異世界転移に備えて準備する。

 勤務を終えて退勤の押した後に会社のパソコンに入ってる設計図を作るソフトを使って水車小屋と蒸留装置を設計する。

 上司から残っているなら残業しろと言われたがタイムカード押しました。サービス残業強要するなら外部陸運局に報告しますと言うと、苦虫を噛んだ顔でブツブツ文句言ってた。


 いつもの質屋で金貨を売ろうとすると手続きしてくると言って店主が奥に入ったまま出てくる様子がない。

 しばらく店内で待っていると二人組の男性が入店し、俺に警察手帳を見せて職質を始めた。

 どうやら定期的に金貨を売っていることから、盗品か密輸品のマネーロンダリングに使われていると思われて店主が警察に通報したようだ。

 探られてもいたくない腹なので普通に応対して真摯に協力する。

 入手先など聞かれたが祖父の遺産で通した。実際俺の祖父はタンカーなどの船長をやっており、日本に帰ってきてる時は祖父の土産話として諸外国の情景など聞くのが楽しみだった。

 多分俺が海外青年協力隊に参加したのも祖父の影響があったのだろう。両親もそうなるとわかっていたのか反対せずに応援してくれた。


職質に少し時間を取られたが、何ら証拠も出ないので警官もご協力ありがとうございますと言って帰っていった。今度からは金貨ではなく塊で貰うようにしようかな。

 塊を売ってまた職質されたらパキスタンやインド方面の海外支援で現地の人からもらったと言い張ろう。

 実際中東やインド方面は金を贈呈品にするのが主流だし、ドバイのゴールドスークという商店街には金の装飾品やら調度品が商品として売っている。

 店の内装も金をふんだんに使っているからキンキラキンの反射で目が痛かった。


 週末までの仕事が終わった後の時間はウルの国の発展方法を考える。

 ワインという輸出品があるので蒸留装置を使ってグラッパ、シェリー、ブランデーといったアルコール度数の強い酒を作る。

 度数の強いアルコールは原始的なアルコール消毒液にも使えるので衛生面の向上はまちがいない。酒類以外にも特産品がないか調べないといけない。

 現地の人からすると価値が無いものでも俺から見たら価値がある物があるかもしれない。


 あのウルの国に繋がる扉もいつまでも存在するとは限らない。昔からあるなら前の住人が何か言ってるはずだ。大家とアパート管理をしている管理会社に前の住人や扉についてさり気なく聞いたがあの扉の事もしらず、前の住人も転勤で引っ越したらしい。


 いつ来れなくなってもいいようにせめて産業を確保できるように育てていきたいと思う。


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