大河ファンタジーとしても恋愛物としても楽しめる、読んで二度おいしい作品
- ★★★ Excellent!!!
最近の少女小説界隈で流行りの「中華モノ」というと、後宮という閉じた空間内で完結する話が多いイメージですが、本作は冒頭の口上にある神話から周辺諸国との関係性まできちんと設定が練りこまれていて、中華の壮大な世界観に浸ることができます。
また、ラゴから光山府へ、光山府から瑞慶宮へと舞台が移り変わる中で、繰り広げられるドラマは大陸の時代劇さながら。
他の方のレビューでも「読む中国ドラマ」とありましたが、まさにその通りだと思います。
加えて、この作品もう一つの魅力がキャラクター。
自由奔放で酒癖は悪いが人情に厚い柳承徳、不器用ながらも優しさを見せてくれる趙敏、そして物腰が柔らかく腹黒そうに見えるけれど、部下思いでいざとなったらとても頼りになる弦朗君。
個人的には敏が一番好きなのですが、他二人もとても素敵なキャラクターで、私の語彙力と文章力ではとてもすべての魅力を言い尽くせないほどです。
あと、この三人にレツィンを加えた光山府組(と勝手に呼んでる)の絆や関係性には胸に来るものがあります。本当泣けます。