概要
幼馴染みの須原は今日、御上のもとへ嫁にいく。
それは、激しい雨が降り続いているが、それすらどうでもよくなる朝のことだった。
月裳(つくも)の幼馴染みである須原(すわら)は御上(おかみ)に見初められ、嫁にいく。
月裳は須原の嫁入りを、しずかにそばで見守る――。
せつない和風悲恋譚。
月裳(つくも)の幼馴染みである須原(すわら)は御上(おかみ)に見初められ、嫁にいく。
月裳は須原の嫁入りを、しずかにそばで見守る――。
せつない和風悲恋譚。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!嫁入りから始まる三者三様の切ない片思いのお話
この物語は、ただの村娘である須原が御上に見初められ、嫁入りするところから始まります。全三話からなる短編連作ですが、一話ごとに月裳、吉良、須原と視点が変わります。
一人称のお話ですが、月裳も須原も自分の思いを明確には語りません。ですが、情景描写や登場人物の行動などから、切なく胸を締め付ける感情がひしひしと伝わってきます。この間接的な感情の表現が、しめやかで美しい和風ファンタジーの世界観を作り出しており、書き手としても感嘆させられます。
また、村娘の嫁入りで悲恋というと、身分の高い方に見初められ無理やり結婚というのを想像しますが、御上はとってもいい人です。知らない場所、知らないしきたり、知らな…続きを読む - ★★★ Excellent!!!嫁いでゆく幼なじみへの複雑な思い
偶然偉い人に見初められた幼なじみ、その嫁入りを見送ることになった青年の物語。
和風な世界が舞台の、ちょっとせつない恋愛譚です。
いやせつなさ度合いで言ったら「ちょっと」どころではないんですけど……。
あらすじとしてはほぼ上記の通りで、主人公は本当にただ見送るだけの立場です。
したがって、彼自身の起こす色恋的な振る舞いはあまりないのですけれど、しかしそれでも間違いなく、これ以上ないほど恋愛劇してるお話です。
本当に「せつない」という形容以外に何も思いつかない……。
あまり多くは語られないというか、内心を露骨に文字にしてしまわないところが大好き。
嫁いでゆく幼なじみの須原さ…続きを読む