そこにあるのは、ただ運命のいたずらだけ

 ある日、御上に見初められ、とある村の娘が嫁に行くことに。
 秘めた想いを口に出すことなく静かに見送る幼馴染み、心の拠り所を求める孤独な御上、かつての思慕を思い出し涙を流す娘──。
 三者三様の思いが、視点を変えて淡々と静かに語られます。そこにあるのは、ただ運命のいたずらだけで、誰も悪くないからこそやりきれない思いが込み上げてきます。美しくせつない余韻がたまらない恋物語です。

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