第58話「お稲荷さん///」

友達みんなでピクニックに行った。私は、お稲荷さんを作って行った。

さてさて、お昼になった。隣は年配のおばさんたちがシートを広げて座っていた。私たちもシートを広げ、みんなで持ち寄ったお弁当を、お互いにつつき合いなが食べた。

私の作ったお稲荷さんは人気があって……


「この、お稲荷さん美味しい!」


「皮がいいよね!」


「適度な歯ごたえだよね」


と、言っていると、隣のシートから、クスクスと笑い声が聞こえた。その時は、隣の人が私たちのやり取りを、温かく見守っているんだ!と思っていた。

お稲荷さんが最後の一個になった時の事だった。


「このお稲荷さんは私のものだ!」


「ダメダメ!それは私のお稲荷さんだ!」


と、友達が言い合ってたら、隣の人がゲラゲラと笑い出した。

さすがに、その笑い方に違和感を感じていると……


「そっかあ、意味分からないよね!実はね……」


と、笑っている訳を教えてくれ、死ぬほど恥ずかしくなった。東京でのお稲荷さんとは、隠語でタマタマの事だと知ったのだった。


おしまい


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SS ミズキ・ギャグ(*>∀<*)ノ 草風水樹(くさかぜみずき) @kusakazemizuki

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