第47話「上手くいくおまじない」
私は上手く行く、おまじないを知っている。
例えば試験で良い点を取りたければ、その学科をイメージした文字や数字、記号を、体のどこかに書くのだ。
手の平なんかは書きやすいが、カンニングと間違われてしまう。だから私は左の肩に良く書いている。
とにかく自分なりにイメージしやすい文字や数字、記号を描くのだ。
『今回は、心配な教科が沢山なんだよなあ~』
今日のテストは、音楽、数学、社会に国語の4教科だ!
『音楽かあ』
私は左肩に『♪』音符を書いた。
『数学も心配だなあ』
なので、続けて『√2』と書いた。
『あと社会も』
社会は『社』と一文字書いた。なんだか『社(やしろ)』と書くと縁起が良さそうなので。
『あっ!国語は漢字テストだった。苦手なんだよなあ』
と、思った所で肩がいっぱいになってしまった。
『書く所がないから、ここに書いちゃお!』
さてさて、私は学校に向かった。すると……
「よっ!久しぶりに一緒に学校に行こうぜ」
と、幼馴染の男の子に声をかけられた。
『なんで!?』
私はドキドキしながら学校に向かった。
学校に着くと……
バサバサバサ!
靴箱を開けると、ラブレターが飛び出して来た。
「おはよう!」
「今日のテスト、分からない所があったら言えよ!」
と、廊下や教室で立て続けに、男子に声をかけられた。
『え~!?なんでこんなに声かけられるの!!』
私は驚きながら席についた。席に着くと、後ろの席の女友達から声をかけられた。
「ねえねえ、今日もおまじないしてるの?」
「もう、しまくりだよ!4教科全部だよ」
と、私は袖から左の肩を見せた。
「沢山書いたね~!」
「そうなんだよ~!で、国語の書く所ないから、ここに書いたよ」
私はそう言うと、チラッとスカートをめくり内股を見せた。
「「「オオ~!!」」」
その瞬間、男子達のムラムラした、どよめきが起こった。
「ちょっと~!何書いてるの?もしかして彼氏募集?」
と、女友達が言った。その瞬間、分かった!
『だから~男子に声かけられたんだあ!!』
私は内股に……
『漢(おとこ)』
と、書いたのに気づいたのだった。
おしまい
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