第21話「いつもの風景」
大雨がうちつける音を聞きながら、俺はバイポットを銃の先に装着した。これで銃身は飛躍的に安定する。
銃のストックを伸ばし肩に当てる。この銃の特徴は反動が後ろに来る事だ。しっかりと肩を当ておく、そうでないと肩をやられる。
頬をつけ照準を合わせ目標を捉える。あとは呼吸を整え、引き金を引くだ
「ねえ傘で何やってるの?」
目標と目が合った。目標はツカツカと教室を横切り、僕の席へやって来た。
「いくら幼馴染だからってこれはないよね~?コンパスの上にさあ、器用に折り畳み傘乗せて!あのねえあんたがそういう事すると、恥かくの私なんだからね~!」
幼馴染は腰に手をやり、ほっぺをふくらませ怒っていた。
「おっ、俺の気分を壊すなよなあ!」
俺は言い返した。
「じゃあ何してんのよ!」
「すっ、スナイパーごっこ」
俺は必死に助けを求めた。
「おっお前らなら、分かってくれるよなあ~!?」
振り向くと仲間が……あれっ!?いない。チキショー!敵前逃亡は銃殺だぞ~!!
「あんたねえ。もう高校生なんだから、こういう遊びしてないで、もっとちゃんとしなさいよ」
幼馴染は俺に説教した。それを見ていたクラスメート達はまたかと笑っていたのだった。
休み時間のいつもの風景だった。
おしまい
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