第33話「アイムジャパニーズハニワ」

 朝の通勤電車の中、男は気がついた。


『えっ!目の前の男、顔がハニワだぞ!?』


 日本史の教科書で見た、粘土で作ったハニワの顔が目の前にあった。驚いたのはそれだけではなかった。


『なんだ!電車の中の人間、みんなハニワじゃないか!?』


 男は驚きのまま会社へと向かった。


『なんと!会社までもか!?』


 同僚、上司ともども皆、ハニワだった。


 仕事も終わり疲れて帰った自宅。熱いシャワーを浴びようとバスルームに入り気がついた。


 バスルームの鏡には……


『ああ、なんだ!俺もハニワだったんだ!?』


 そう思うと、なぜか急に安心した『日本人男性』だったのだった。


おしまい


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