概要
私設諜報組織に属する青井結《あおいゆう》は、ITエンジニアとして派遣された組織内の犯罪を捜査する。
時には自身の持つ異能も駆使しつつ、あくまでも秘密裏に、傍観者として事件に挑む。
が。
誰かの助けになりたいから。
生きるために。
あの男は許さない。
たった一つ、守ることのできる約束だから。
立場、境遇、とどまる理由の違う者達が、「そこ」で出会う時、過去と思惑が絡みあう。
彼らは何を得、何を失うのか。
複数の登場人物の視点で描く超長編ハードボイルド・ヒューマンドラマ。
※ 「まいかたチャンプの挑戦」のネタバレを含みます。
※ この物語はフィクションです。実際の人物、団体とは一切関係ありません。
※ 暴力・犯罪を扱っていま
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!事件とバトルの連続なハラハラできる異能モノ!キャラの人間味も見どころ☆
諜報活動を行う組織に属する主人公。
彼はただの諜報員ではなく、普通の人には無い特殊能力を持っている。
そんな主人公は同じような能力を持つ仲間たちと共に、犯罪組織など危険な人物たちと渡り合っていく……という感じのハラハラドキドキできる物語です☆
普通の人とはかなり違う仕事をしている主人公が、悩んだりしながらも仕事に取り組んでいる姿に好感が持てました。
主人公の周りの人たちも、それぞれ彼らなりの問題を抱えていて、主人公以外のキャラたちにも人間味があってかなり感情移入しました!
特に感情移入したのは、とある悪役たちですね。
悪い人たちなんだけど、共感できるところもあって、主人公に勝って欲しいよ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!生まれは選べない。けれど、誰を信じ何をとるかは選べる
ストーリーの概要や世界観、設定については他のレビュアーさん方がきれいにまとめてくださっているのでそちらを。自分はこちらの作品の真髄と(勝手に)思う人間ドラマについて熱く語りたいと思います。以下、詳細なネタバレはないので「ネタバレを含む」にノーチェックとしましたが、抽象的にネタバレしているのでご注意ください。
主人公陣営と敵対する陣営には、生い立ちや境遇がよく似ている人物たちがいます。
かたや諜報員、かたやマフィア──。所属は違えど、同じく裏社会で暗躍する彼らの道は重なり合うことなど有り得ません。しかし、奇妙な縁のようなものに誘われて時に近づき、そして交差し、対立ではない別の可能性もちらつ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!映画を見ているかのような
個人的に、読みながらふと思い出したのが、J・J・エイブラムス監督の『ミッションインポッシブル3』という作品。あの映画を見たときも、
「いやあ、諜報とアクションと、本業を隠した恋愛とを、すべて一つの作品の中でまとめるって、なんて難しいことを平気でやってるんだ」
って思いましたが、この『摩天楼の翳』では、そこに『異能』という、それ以上の要素が加わっています。
諜報とアクションであれば、当然、登場人物たちはその世界にどっぷりのほうが書きやすい(と思う)。そこに身近な要素が入ってくると、どうしても話が脱線したり、破綻したりしがちですが、『摩天楼の翳』ではそれがない。読みやすく、するすると読み進…続きを読む - ★★★ Excellent!!!タイトルの技の妙
話を読むにあたり、一番感心したのはサブタイトルの付け方が実に巧妙だという点である。
各章のハイライトを抜き出してタイトルにしているのだが、それがもう次の話への想像力を膨らませてしまい、どんどん読み進めてしまった。
特に「見込み違いね」などは読者の興味を引くには絶品なのでは?と勝手に思っている。
また最初から全てを説明してしまうのではなく、徐々に細部が明らかになる技法も、そのタイトルの付け方に合っていると思う。
全体的にバランスの取れた作品である。
個人的にSEという業種なので、「SEもして諜報員もしたらマイルストーンがフィックス出来ないのでは?」などと余計な感情移入をしてしまった。 - ★★★ Excellent!!!気を操る異能力を持った、スパイたちの信念と戦いの記録
別作品「まいかたチャンプの挑戦」の主人公、照子さんの恋人である青井結が主人公の物語。
普段は平凡なSEに身をやつし、その実様々な場所に潜り込んでは秘密や犯罪行為を調査する青井さん。
彼は私設諜報機関のエージェント、すなわちスパイだったのです!
前述の別作品を読んでいるときっと余分に楽しめると思いますが、この作品単体でももちろん面白いです。
こちらは作者様の代表作である同名作品のリメイク版。
リメイク前の作品は読了済の私ですが、もう一度初めて読むような気持ちで作品を追い掛けていきたいと思います!
現時点では、まだ序章も序章。
この先、どんどん魅力的なキャラクターたちが登場してくるかと思うと…続きを読む