ラノベではなかなか触れる機会のない、純文学調の格調高い文体で綴られる恋愛小説。
他サイトでしか読めなかった作品がカクヨムでも読めるようになったのはとても幸せです。
純文学調とは言っても、謂わば道造節とも言えるようなギャグやオマージュが随所に鏤められ、そのギャップもあってクスリと笑える場面も多いので、非常に馴染みやすいです。
ファンタジーにしろ恋愛ものにしろ、「頭空っぽにして読む系」に少し飽きた方は、是非読まれてみてはいかがでしょうか。
誠実な主人公と個性豊かなヒロインたちの内面に潜む、静かな激情(静かじゃない激情もあり)の根源は何なのか?
とても素敵な作品なので是非とも長期に連載していただき、彼・彼女らの心を詳らかにして欲しいと願っています。
……いやしかし蛇足ですが、この先生には本当に凄まじい量と質の読書体験があるんだろうなと、いつも圧倒されています。