奇談の会

最終章

　呪願怨室本舗の皆様、

　皆様のほうでは少しもご存知のない男から、突然このようなぶしつけなお手紙を差し上げます罪を、幾重にもお許しくださいませ。

　私は一度、夕焼けの里へ訪問したことがある者でございます。夕焼けの里の美しさに心を奪われた者として、筆を取っております。

　この度、お手紙を差し上げましたのは、私の店(昼はカフェ。夜はバーを営んでおります)で、『奇談の会』なるものを開こうとする輩がいるということをお知らせしたく。

　この『奇談の会』というものは、この世の禁忌や闇に触れようとせん者たちの集まりのようでございます。飽くなき探求心をお持ちの皆様でしたら、きっと、私の意思も汲み取ってくださると思っております。この手紙をご一覧の上、こちらへ訪れていただけますれば、この上の幸いはございません。

　では、失礼を顧みず、お願いまで。

了