実は...G67さんのレビューが最も気になりまして、まぁ私も初老の身なので。老いると、新たな情報を仕入れるよりも、過去に仕入れた情報が脳味噌から消え去る後姿に必死で追い縋る感じですかね。でも、良い作品だと思いました。私も眼が悪いので、作中の親子の関係に親近感を覚えます。父親が息子に宣う矜持にも頷く処が有ります。星の数は、短編にはMAX2つが信条だからです。
メガネを臓器と捉えるセンス、素敵です。今までそんなふうに考えたことがなかったけれど、本当にメガネは臓器ですね。
とある親子の関係を巧みに描いた傑作掌編。短い文章の中に、確かなドラマが存在します。
そう思わせられる作品でした。
着想が良かった。表現次第でもっと鋭いインパクトも残せそうな一篇。
2000文字行かないくらいだが、実に読み応えのある作品だった。何か踏み出そう。踏み出そうと考えているが、何もキッカケがなくて足踏みしている人に是非とも読んで貰いたいものだ。
すらすらと読めて、けれどもぐっとくる余韻を味わえました。普段あまりものを言わない人が語る言葉には、凝縮された重みがあると思います。眼鏡を通して、父親の思いという情報に触れる。素敵な物語に出会えました。
子供の頃の記憶はわりと覚えているもので、そんなこと覚えていたのかと驚くことも多い。この作品の主人公は、親父と眼鏡。それが印象的な記憶。後へ後へと繋がっていくような優しい物語は、考えさせるものがあります。眼鏡だけでなく、そこから得られるものに着眼点を置いた素晴らしい作品です。
レビューとしてはちょっと的外れだとは思いますが、これが一番印象に残ってしまったのだから仕方がない。「不思議と、外しても歪んだままだった」
久しぶりに、こういう作品に出合えた。タイトルからは思いもよらない内容。作中の言葉が心に残る。面白い作品は多いけれど、いい作品と評価できる数少ない作品。なるほど、1位になるわけだ。
眼鏡として表現されていますが、読んでいて思うのは「誰もが臓器になる変わる必要なもの」を持っているんだなってことですね。スマホ、服、カバン、財布、筆記用具、車。どんなものでも、必ず必要な臓器なんですねえ。
タイトルに惹かれて読みましたが、いい意味で裏切られました。しんみりとした余韻が素敵な短編ですね。
「意地を張らずに父親の経験をどんどん聞いて、どんどん学ぼう」と最近思っている僕の心に、この小説は寄り添ってくれました。
私自身、コンタクトレンズやメガネが欠かさない生活なので、ホント体の一部です。そうは思ってもそれを臓器に例えたりというのはなかなか思いつかないかなと思います。最後の台詞もいいですね。きちんとしまってる。面白い作品でした。
臓器が動いているだけが生きていることではない。読書ばかりの口数少ない父が言った言葉。親父の臓器を移植して、やっとわかった気がするよ。そんな思いが頭の中にすぅっと入ってくる素敵なお話。温かさを感じます。これは、読まなきゃ損です!!
父親の思い出というのは、独特の雰囲気がありますよね。この作品は良い意味でその伝統に連なる物だと思いました。一方、眼鏡は、眼鏡をかけている人にとっては本当に身体の一部のようなもものです。この二つを結びつけてエッセイを越えて、小説にしたのはなかなかの手腕だと思いました。といっても、やっぱり父親を語る時の口調(文体)が、この作品の基調であり、魅力であるように思います。レトロともいえる雰囲気が良かった。
眼鏡だけじゃないですよね。服もスマホも家も。全部人間を拡張する臓器みたいなもんだと思います。つまり人間は臓器に取り囲まれている……
ただ生きるのではなく、人として生きることを考えさせてくれる作品。
すみません。グロテスクなお話を期待して読んだわたしがバカでした。主人公のお父さんの言葉が、とても心に染みます。確かに、なんで人は本を読むのか?知識を得るためでも、学ぶためでもなく、ほとんど習慣のように「読む」。その当たり前になっている行動の答を、教えていただいた気分です。素晴らしい小説をありがとうございます。