鹿ごろしの庭へ
姉妹戦争の直後、西の一族の一部が前の北殿にならい、同業他社とつうじようとしていたことが発覚した。西の乱と呼ばれる。理由は、戦後、切尾の実権を握った西ノ婿殿が南北を優遇したことにあった。
リーマンショック後の景気回復および国際政治の混乱から、軍需品の需要は高まっていた。各種製造工場を円滑に運営する必要があり、それにかかわる南の一族の者を重罰に処すことはできなかった。
また、西ノ婿殿の最側近であり、事業全般を統括していたモリヤマが過労で死に、家内政務を見ていた側近のナミチカがこれに変わったが才なく、事業が混乱した。これを立て直したヒラタは、前の北殿の側近であった。
勝ったはずの西の一族が軽んじられたことを受けて西の乱は起きた。当事者は切尾を追放され、その役職の多くは、北の一族の者が継いだ。
西ノ婿殿は西ノ方サマとの間に男女の双子を成していたこともあり、自分の役割は終わったとばかりに、鹿ごろしの庭と名づけた邸宅で、早い隠居生活に入った。
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