うつくしかわ物語

五丘労働組合

　切尾商会には、第二次世界大戦の前より労働組合が存在していた。名を五丘労働組合という。組合は一つだけで、経営者も五丘労働組合も、他の組合の結成は許さなかった。

　組合は切尾内で独自の力を持ち、切尾の歴史に節々で介入したが、そのルーツは明治時代にさかのぼる。切尾の労働者のあいだで行われていた無尽講のあつまりが、助け合う内容と規模を変えるうちに、自然と力をたくわえ、労働組合という形となった。