乙女の誤算 (1)

 すでに日が落ち、道は暗くなっていた。そこをずんずんと戻り行きながら、訪れる約束のないまま夜を待ち、文句もいわずに貞淑に過ごしてきたこれまでの日々を呪った。


 運命の人だぁ? 乙女の夢じみた戯れ言を恥ずかしげもなく語っていたかと思うと、そんな自分が可愛すぎて逆に死にそうだ。恥ずかしいし、ばかばかしいし。


「くそ男、最低! あー、もう、やってらんない!」


 小石も花も、つま先に当たるものをどれこれ構わず蹴り散らかして、大路の火明かりへ向かっていると、後ろから、恵那の息切れ混じりの声が聞こえてくる。


「須勢理様、ま、待って……」


 須勢理の早足に追いつこうと駆けていたらしい恵那は、ぜえぜえと息を切らしている。


 足を止めて、やってきた恵那が息を整えるのを待ってやるが、須勢理の頭はまだ怒りで朦朧としていて、立ち止まったものの一瞬たりとも静かに動かずにいることがつらくて、息苦しいほどだった。


 ……まずい、おかしい。自分はひどく興奮している。そう悟った瞬間、苛立ちに任せてとんでもないことをしでかしてきた気がして、たちまち須勢理は目がくらんだ。


 いま、自分は何をしてきた?


 夫になったばかりの武王を呼び捨てにして、罵って。そのうえ「須佐に帰る」と離縁を匂わせる言葉まで吐いてきてしまった。


 ごくりと唾を飲むと、須勢理は手のひらを自分の胸元にそっと当ててみた。


 怒りの原因はなんだった? わがままを通した須勢理が、幼稚に暴れて無礼をしたのなら、すぐさま武王のもとへ謝りに戻らなければ。


 須勢理は、怯えつつもこれまでのことを思い返してみた。


 初めて出会った月夜に、穴持に一目惚れをした――。


「妻になりにおれの宮へ来い」と妻問いをされて、須勢理がひと目で彼に何かを感じたように、向こうも自分を気に入ってくれたのかも? と、武王の恋心に期待も……きっとしていた。それっぽく騒ぐのが苦手だっただけで、平静を装っていたけれど、胸の底では初めての恋に浮かれていたはずだ。もしかしたら彼は、須佐乃男の娘という名が欲しかっただけで、須勢理に興味などなかったかもしれないのに……。


 父王から、武王に嫁ぐのはやめておけと散々止められたというのに、胸に芽生えた恋心に従って強情を張ったのも須勢理だった。


 いまの怒りは、甘い夢を見ていた期待が裏切られたのが悔しいから?


 ……でも、それは違う気がする。原因がそれなら、少し前から諦めていた。


 いざ嫁いでみれば、彼にはすでに大勢の妃がいた。


 一の后となった娘は異国の王の娘で、かなりの美姫。そして彼の一番のお気に入りはその一の后らしい。……須勢理ではなく。


 怒りの原因は、嫉妬? ……それも違う気がする。


 それは、嫁ぐ前に相手のことを知ろうともしなかった須勢理が悪い。武王にほかに妃がいるかどうかくらい、誰かに尋ねればわかったはずなのに。


 気づくのがいろいろと遅れたのは、自分のせいだ。


 身から出たさび、自分の過ちのせい。そう納得しているので、残念で悔しいが、やはり怒りの理由はきっとそれではない。


 でも……どうしても腹が立つ!


 唇をきつく横に引きながら、須勢理はさっきの状況をもう一度思い返してみた。


 穴持のもとへ呼ばれた。彼のそばには一の后だという娘がぴったりと寄り添っていた。


 ……それは、仕方ない。彼がお気に入りの娘をそばに侍らせているくらい、須勢理が悔しい想いをしようが咎めるべきことではない。彼は出雲一の武王。大勢の妻をもつ人なのだから。でも、仲の良さを見せつけるようにその場に須勢理を呼び寄せた穴持は、いったい何を命じたか。


 戦についてこい。彼のお気に入りの姫の護衛をするために。彼はそういった。まるで須勢理を部下の兵か侍従のように見て、叱りつけるようないい方で――。どうおまけしてあげたところであれは、自分の妃となったばかりの娘にする命令ではなかったはずだ。


「やっぱり、あたしは悪くない! 腹が立つ、あの野郎!」


 男のような乱暴な口調で恨みの文句を吐くと、須勢理はとうとう踏ん切りをつけてしまった。そして、胸でくすぶっていた思いのたけをぶちまけた。


「恵那、明日、須佐に帰るから! そのつもりでいなさい!」


「は、はい……恵那はもう、なにがなにやら……」


 そばで背を丸める恵那は、悔しそうに涙すら浮かべていた。


「須勢理様は、あのお方の妻になりにやってきたのですよね? いったいあのお方は、どういうお考えでいらっしゃるのでしょう……」


 恵那の潤んだ目を見てしまうと、須勢理も思わず目頭が熱くなる。


 須勢理は、慌てて頭上を見上げた。


 雲宮を覆うのは、いつの間にか星空になっていた。天上には壮麗な天の川が横切っていて、一粒一粒がきらきらとまたたきながら、須勢理に星明かりを降らせている。


 ひと気のない夜の雲宮の兵舎の片隅で、港に近い平地につくられた、その場所から見上げる星空は広かった。そしてそれは、斜面のきつい奥山に建てられた離宮で育った須勢理には、見覚えのない夜空だった。


(本当、ばかみたい。どうしてあたし、こんなところにいるんだろう)


 自分が、こんなにちっぽけなものだとは思わなかった。


 出雲一の武王の奥方になるということが、こんなにみじめなものだとは。


 思わず潤みかけた瞳に泣くなと命じて、代わりに泣いてくれている恵那に笑いかけようと、笑顔をつくった。


 ……もういい、須佐へ帰ろう。とうさまの離宮へ戻って、またそこで暮らそう?


 この宮を去ろう。もう一度須勢理がそういおうとした、その時だった。


 切羽詰まったような青年の声が、須勢理を呼びとめた。


「須勢理様! どうかお待ちに、待って!」


 声につられて背後を振り返ると、須勢理の後を追ってきた恵那のさらに後ろに、まだ人影がある。背格好からするに、背の高い青年……安曇だ。


 気づくやいなや、須勢理はむっと眉をひそめた。


 さきほど穴持の館に案内したのは彼だった。その時の、彼のおずおずとした態度をいまさらばかにするように、須勢理は近づいてくる彼のことを思い切り睨んだ。


(そりゃあ、気まずいでしょうよ。他の女を守るために従軍しろだなんて、あんな命令をするために呼ばれたあたしを案内したんじゃ……)


 八つ当たりも込めて冷たくあしらおうと、須勢理は息を吸った。


 でも、安曇はそれより早かった。駆け寄ってきた彼は須勢理の目の前で立ち止まるなり膝を折って、地面にひざまずき平伏する。いわゆる、土下座だ。


「お怒りはごもっとも! すみません!」


 須勢理の威勢を削ぐような、出会い頭の平謝り。そのせいで、腕組みをして待ち受けたものの、須勢理の唇から出ていく言葉はいくらか勢いを失ってしまった。


「わかってるなら、あの男にいうべきでしょう? 馬鹿もたいがいにしなさいって」


「はい……。危険を伴う戦にあの姫を連れていくなどおやめくださいと、おれも何度もいったんですが……」


「あいつは聞かなかったのね? だいたい想像がつくわ」


 須勢理は呆れ口調のままでため息をつく。それから、意思を変える気はないと突っぱねた。


「勝手にすればいいわよ。あいつ偉いんでしょ? 強いんでしょ? かわいいかわいいお后様くらい、自分で守ればいいじゃない。あたしなんかの手を借りなくたって」


 すると須勢理の足元で平伏する安曇は、土を向いたままわずかに顎を逸らす。彼の言葉は、急にたどたどしくなった。


「そのー、それが。あの方は、実に柔軟な思考の持ち主といいますか、二言目には意見が異なるといいますか、なんといいますか……。いま姫君を連れていくといったところで、戦の旅の道中に姫君が気に食わない弱音を吐こうものなら、鬱陶しいと叱りつけるような方でして……」


「はあ?」


 そこまで話が進むと、安曇は語気を強めて、額が土につきそうなほど頭を下げた。


「お願いです、どうかあの姫をお救いください!」


「救うって、はあ?」


「あの姫君は、穴持様に従軍をお許しいただいたとのんきに喜んでいましたが、戦場でのあの方をご存じないのです。……あの方は鬼神です。異国の姫だろうが誰だろうが、気に食わなければ二度と出雲へ戻ってくるなと、真顔でおっしゃる方なんです。機嫌が悪ければ、最悪、剣で脅すようなことも起きるかも……!」


「ちょっと待って。あたしの役割って、いったいなんなの? あの姫を守るって、敵の刃からじゃなくて、機嫌を損ねた時のあの男からってこと……?」


 須勢理の声が拍子抜けしたものに変わると、じわじわと安曇は顔を上げていき、面と向かって目を合わせた。


「戦の旅の途中だけでいいんです。向こうに着いてしまえば、あの姫は別の館に閉じ込めて戦から離すという話になっています。あの、のんきな越の姫が何かやらかしかけた時に、まあまあと仲裁していただければ……。おれも一緒に見張りますから……姫君と、穴持様を」


 その時、須勢理の耳には父、須佐乃男すさのおの言葉が蘇っていた。


 穴持は武王になるために生まれてきた神獣のような男だと、父王はそのように評していた。でも……。獣は獣でも神獣だなんて、そんな神々しいものじゃないではないか。


「なんて迷惑な男なの……」


 そんなふうに、須勢理は思うしかなかった。


 そして、熱心に頭を下げる安曇にほだされて、ついに従軍を了承してしまった。





 須勢理が心配だが、遠い異国の地まで歩くとなると足手まといになるだろう。でも心配だ……。恵那は一晩中ずっと目を潤ませて須勢理の身を案じていたが、須勢理に恵那を連れ出す気はいっさいなかった。


「いいのよ、あたしは戦を見にいきたいだけだから。恵那は離宮に戻っていなさい。足手まといだから、絶対についてこないでね」


 出雲軍の行き先は、巻向まきむくという国。出雲の港から船に乗って向かう港から、さらに山道を抜けた場所にあるそうだ。


 須勢理よりもずっと細くて、時おり「ちゃんとごはんを食べてるの?」と心配になってしまうほど頼りなげな恵那を、そんな場所まで付き合わせる気にはならなかった。


 笑顔で拒まれると、恵那はますます目を潤ませる。いい方がきつくても、須勢理の目は優しかった。主の身を案じるはずが逆に案じられる結果になると、恵那はやはり涙をこぼした。


「あなたは、なんてお強い方なんでしょう。それに引きかえ恵那は……」


「強いっていうか、跳ねっ返りなのよ。真似できないことを喜んだほうがいいわ。気にしないで、離宮でしばらくゆっくりしていなさい、ね?」


 恵那に泣かれると、須勢理の笑顔はますます柔和になる。


 幼い頃から憧れていた戦に参じるとはいえ、まだ見ぬ戦地やそこに至る道のりを想えば、須勢理ももちろん不安になる。でもこうして自分より脅えている相手がそばにいるのは、須勢理に力をくれる。


 どうにかして彼女を落ちつかせようと、出発の日、恵那に見送られて須勢理の乗った軍船いくさぶねが出雲の海を出るまで、須勢理はずっと笑顔のままだった。

 




 やがて、船が異国の港につき、そこから軍列は細くなって山道を進む。


 山旅の道中、須勢理はずっと安曇と隣り合って進むことになった。


 前に話していた通りに、安曇は一の姫という異国の姫を、彼にいわせれば見張るという役目をまっとうしていた。


 馬の背に乗った一の姫があやうげな悲鳴をあげるたびに、彼はそばにいって世話を焼く。


「きゃああ~! 馬がよろける。落ちてしまうわ!」


「蹄が小石を踏んだだけです、大丈夫」


「馬が傾いた。つかまっていられないわ!」


「坂道を歩んでいるからです。あなたの鞍には背もたれがついていますから、そこに背を預ければ平気ですよ」


 なにかにつけて弱音を吐く一の姫は、些細な厄介事が起きるたびに麗しい目尻に涙を浮かべて、いとしい男の姿がそばにないことを嘆いた。


「ねえ安曇。穴持様は? あのお方はわたくしを助けてくださらないのかしら……」


「穴持様はですね、いま遠いところにいらっしゃるのですよ。でも離れていても御心はきっとあなたを想っていらっしゃるでしょうから、この安曇を信じてですね……」


 そうしてうまい言葉で宥めてしまうと、安曇はもといた場所へ戻ろうと、山道を越えるのに細く長くなった武人の列の隙間をかいくぐって須勢理のもとへやってくる。


 一の姫と違って馬に乗ることもなく、自分の足で山道を歩く須勢理の隣が安曇の居場所だったが、そこへ戻るなり彼は須勢理のことも気にかけた。


「すみません、歩かせてしまって……。正直なところ、この山道を馬でいくのはきついんです。この先に馬を押してしか登れない難所があって、それで……」


 一の姫の世話を焼いたかと思えば、次は須勢理。


 腰の低い安曇をここまで見続けると、さすがに須勢理は吹き出してしまう。


「もういいわよ。あたしは平気だから」


 軍列には馬の姿がちらほらとあったが、人を乗せている馬は数えるほどしかいない。乗っているのは、おそらく穴持など王と呼ばれる身分を持つ男たちだけで、そのほかの馬が運んでいるのは兵糧や武具などの荷物ばかり。


 きっとその難所にいけば、馬の乗り手は馬を下りなければいけない。


 そして馬が自力で登れないというその場所で馬を押すのは、兵たちのはずだ。


 歩き通して疲れきっているところに、馬の巨体を押し上げるなど、かなりの苦労だろう。そういう馬が一頭でも増えれば、余計な苦労をしなければいけない兵はどれだけ増えるだろうか。十人? 二十人? 考えをめぐらすと、須勢理は笑った。


「あたしは人に面倒をかけてまで楽をしたいとは思わない。歩けるから、平気よ」


「本当に、すみません」


「あたしはあの男の妃としていくんじゃないわ。あいつの兵としてよ。あいつがその気ならこっちだって……! だから、もういいのよ」


 本音の文句を吐いてしまったのをみずから抑え込むと、須勢理はその話を区切ってしまった。


 須勢理と安曇が隣り合って歩くのは、馬に揺られる一の姫よりわずかに十人程度の兵を隔てた背後で、そこでは絶えず姫君の様子が目に入る。


 いまも、ほんのわずかに馬がよろけただけで麗しい姫君は「きゃっ!」と細い悲鳴をあげていた。


 それを見るなり咄嗟に駆け出そうと安曇は足に力を込めたが、いまのはそこまでの事件ではなかったようで、先をいく一の姫は「もういやだ」と泣き喚いて周囲の歩みを止めることもなく、再び静かに馬上で揺られる。


 それを見届けてふうと息をつく安曇に、須勢理はねぎらいの言葉をかけずにはいられなかった。


「あなたって本当に面倒見がいいのね。あたしは平気よ。あの姫のために従軍することになったのも、もう恨んでないから。あたしのことは気にしないで、あの姫のそばにいたら?」


 すると、安曇はすぐさま顔をしかめた。


「あの姫のもとにずっと? それはさすがにおれも無理です!」


「……え?」


「その……あなたのそばにいさせてもらえると助かります。おれは避難しているだけなんです。四六時中あの姫の隣で世話を焼くのは、さすがに気が滅入るので……」


 安曇が辟易としたため息までこぼすので、須勢理はぷっと吹き出した。


「なんだ。好きでやってるのかと思った」


「そう見えました? なら、よかった。胸の底で厄介だなあと思っているのが、あの姫にもばれていないでしょうから」


 安曇はいたずらを告白するような目配せまでしてきた。その目と目が合うなり、須勢理はくすくすと笑ってしまった。


「あなたって、結構腹黒ね」


「そう思いますか? 残念です」


「全然残念そうに見えないわよ?」


「そんなことないです。じゃあ大げさにしましょうか? ああ~、残念だ」


 そういって安曇はがっくりと肩を落とすふりをして見せた。いかにも芝居というふうで、須勢理を見やる目は笑っている。


 須勢理の笑い声はやまなかった。


「不思議な人ね。あなた、本当は位が高いんでしょう? ほかの兵たちは、あなたにとても丁寧な話し方をしていたし……」


「本当に、よく見てますね」


 チャ、ガチャ……。武人が身にまとう鎧や腰から提げた剣の金音が勇ましく響く山道の緑の光の中に、安曇の童顔はよく馴染んだ。彼の背は、穴持よりは低そうだがそれでも須勢理より頭一つ分は高い。屈強な大男という雰囲気はないものの、鍛え抜かれて締まった体躯や、武具を軽々と扱う手つきや身のこなしは、彼が何度も戦をくぐりぬけた猛者だということを明かしていた。


 でも、いまの彼には、武具より木漏れ日のほうがよく似合う。


 あどけなさが残る丸い輪郭にいろどられた、よく陽に焼けた頬。その上で柔らかく細められた丸い目。背中に垂れる黒髪は、首の後ろでそっと束ねられている。


 平穏な緑の光の中で、彼はのんびりと教えた。


「おれは穴持様の側近で、今回の戦では、一応副将ということになっています」


「副将? この中で二番目に偉い人?」


 須勢理ははっと息を飲んで、前後に続く長い兵の列をたしかめた。須勢理の驚嘆顔を見下ろす安曇は、恥ずかしそうにはにかんでいる。


「一応です。今回の軍には石見国いわみこくの主、石玖王いしくおうや、ほかにも怖い方がいろいろと参じておられるので……。おれは、お偉い様がたの世話を焼く係です」


「穴持の世話をするのに、あたしみたいな小娘の機嫌までとって。副将って、面倒な役回りね」


「取り柄がそれしかないので」


 彼の童顔に浮かぶ気のいい笑顔は爽やかだ。


 でも須勢理の目に、その笑顔はそこまで純粋なものとは映らなかった。


 ……きっと、いろいろなことを抱えているのだろう。


 彼の笑顔にはそういう、大勢を守る者の雰囲気があった。


 それが何かは判じきれないけれど、それはとても魅力的なものだ。これ見よがしに晒されることもなく丁寧に隠されているのがまた、彼の穏やかな雰囲気に似合う。


 ……きっと、いい人だ。そんなふうに思ってはにかんでいると、安曇が話しかけてきた。


「ところで、どうやって武芸を磨いたんですか? 兵舎に訪れる姫君が男顔負けに矢を射ているって、噂になっているんですが」


 ようは話を変えたかったのだろうが、その手際の良さも見事だ。


 躊躇なく頭を下げて、下手に出て、そのうえいつの間にか相手を思い通りに動かしてしまう人なのだ。しかも、相手に気づかれることもなく。……やっぱり、若いけれどすごい人なのだろう。


 気づいたものの、須勢理は、安曇の話に乗ることにした。




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