橘紫綺

生まれながらに寿命が確定する呪いを掛けられた【時刻みの国】。その国で余命一年を切ったからくり人形師のウィジットは、最愛の娘であるミッティが、八歳でこの世を去ったことで、自分のこと…

エッセイやノンフィクションなんて高等なものではございません。 単に、胸の内に抑えきれない愚痴やら感動したものやこと。執筆状況や、なんでもないことを書き綴るだけの、自分の精神安定の…

そのうどん屋は、開店休業中だった。 なぜなら、暴れもしない破落戸たちのたまり場となっていたから。 何故たまり場になったのか、うどん屋の看板娘のお里には解らなかった。 だが、このま…

ある日、突然色を失った青年は、山中を彷徨った先で『草花』に助けられ、『早瀬』という名を得る。 早瀬として草花と過ごしていた一方で、早瀬を捜す男がいた。 男の名前は『惺流塞』。かつ…

　これは《白木の者》である鏡月（きょうげつ）が《もののけ堂》の用心棒の後を継ぐまでの物語。 　幼少期、《白木の者》と呼ばれる特異体質だった幼子は、その力に引き寄せられてやって来る…

（全14話）寄ってらっしゃい見てらっしゃい！！　 かつて鬼が棲んでいた島『隠ノ島』。故に流刑地として使われていた島で、今最も恐れられているのが滅多斬りの惨殺事件！　島を守る戍狩を…

君は《死人妖精》をしっているかい？ 知らないなら知っておいた方が良いかもしれない。 もしも相対したとき君の今後が決まるから。

人の心を喰らう妖《心喰い》が、生まれたばかりらしい《心喰い》に心構えを伝えるだけの小話 ※《心喰い》は『欠落戯作者のネタ集め』の主要キャラクターとしてもでていますが、本編に出て…

思い詰めた顔で川面を見つめる娘の前に、現れたのは見知らぬ男。 男は促す。話してみねえかと。 穢れを受けたオヒナサマを流すように、胸の内を吐き出してしまえと。 不思議と語ってしまっ…

その村で起きたのは、突如痣が広がり手足が腐り落ちる病。 医者も逃げ出す病を治したのは菩薩の描かれた《奇跡の掛け軸》。 噂が噂を呼び、遠く離れた地で奇生種屋を営んでいる依代（よりし…

第８回富士見ノベル大賞一次通過作品 表情から感情の一切が消え失せた売れない戯作者――佐倉（さくら） 雀の羽根のような色合いのフワフワの髪を持った少年――すずめ丸 そんな二人の…

《渡り鳥》と呼ばれる者たちが居た。 心の底から願った願いを叶えてくれる厄介ごと引受人。 しかし、いくら願ったところで定住しない《渡り鳥》に願いを叶えてくれるように依頼することは不…

守護獣を失ったその世界に突如起きた悪夢の襲来。 夢で人が死んで逝く中、悪夢の感染を恐れた人々は、感染者を一つ所に押し込めた。その状況を何とかしようと立ち上がったのは語り部たち。 …

『破滅をもたらすもの』と忌み嫌われて過ごしてきた少女シェリルは、村で流行った病の元凶である『人喰い妖魔』を倒すための生贄となった――はずだった。

激しい雨の日に現れる『人食いの村』。 その怪異に飲み込まれたのは、サトリに取り憑かれた薬師の深と、山彦鳥の縁。 土砂降りの中、一夜の雨宿りを頼んだ宿で、一人と一羽は無事に村から…

カクヨムコンテスト７において、途中で掲載停止した《奇生種屋》の元となった物語。 当然のように店は構えられているものの、《希少種屋》にて取り扱っている特殊な品物が必要としていない…

　その夜。《火炎》の名を有する村は、数多の妖によって襲われた。そんな中、椿は兄を失い《揺り籠刀》である《妖斬妃》を手に入れた。妖斬妃に体を貸し与えることで村を蹂躙する妖たちを一掃…

『人は、見せたいものを見せ、見たいものを見る』 『妖魔』が住まう国『ハウラ』。 　その国では夜な夜な妖魔が現れて、人々に悪さをしていた。 　そんなある日、仲間の裏切り行為を受けて…

術者の《式神》とすべく、捕らえた妖や鬼を収容、調教する施設《鬼ヶ島》。 その島を管理しているのは、歴代最強と言われる術者の草禅（そうぜん）。 その草禅が、鬼たちの反乱により《鬼ヶ…

　江戸を模して造られた大宮（おおみや）で、人が干乾びた状態で発見される事件が続いていた。 　大宮の治安を守る戍狩の早瀬（はやせ）は、戍狩見習の葵ノ進と共に捜査をしていたが手掛か…

ソリスとディアナは恩人タザルを取り戻すため貴族の屋敷に最後の盗みに入っていた。しかし、タザルを人質にした敵と貴族は裏で繋がっており、初めからタザルを返すつもりがなかったのだと知っ…

その弾き語りは語る。 誰も知らぬ場所でひっそりと始まり終わる出来事を。 一話完結もので進めて行く予定です。

その奇病は突如世界中で発症した。 パキリと薄氷を踏むような軽い音と共に咲く氷の桜が全身を覆い氷漬けにしてしまう。 お湯を掛けようが火であぶろうが溶けることのない氷の桜。 誰もが氷…

償いの旅の途中、薬師の深（しん）と山彦鳥と呼ばれる喋る鳥――縁（えにし）が山の中で彷徨った先に出会ったのは、天邪鬼に取りつかれた少女――与依（よい）だった。 村でも持て余されてい…

自身が不老不死だと知った占い師のシエラは、今度こそはと命を断とうとしていた。 しかし、そこに現れたのは少し間の抜けた錬金術師のアズウ。 アズウはシエラの生い立ちを聞いた後、「どう…