自主企画で、『君の熱 散りゆく桜 攫いけり そこに写るは 微かな水滴』という和歌を題材に書かれた短編なのですが、同じ和歌を題材に、和風物と現代物の二つの短編を書かれています。
二編とも、主人公の独白が中心となっているのですが、これがほんとに素晴らしい!
もともと美しい文章を書かれる作者様なのですが、主人公の独白と流れるような文章が一体となるともう、どんどん物語の中に引きこまれてしまいます。
美酒に酔わされ、陶然となっているうちに結末を迎えて、「ほぅ」と感嘆の吐息をつく……。
この幸せを、未読の方はぜひ味わっていただきたいです!