柊木紫織

冬に閉ざされた街の中で紡がれる、春を巡るお話。 幻想という概念をそのまま紡いだかのような筆致は、感覚鈍る冬の冷たさや、命巡る温かい春の風をありありと感じさせます。 独創的な世界観…続きを読む

二人の関係性が、表情やしぐさの節々からビシバシ伝わってくる名作…！
短編なのが惜しいくらい、二人の今後が気になってしまう。ごちそうさまでした！

まず目につくのが知っているようで知らない、既視感を感じるようで全く異なる世界。 例えば「花と言われれば」と尋ねられれば、多くの人が思い浮かべるであろう赤い薔薇が一般的に存在せず、物…続きを読む

好きな人の言葉は、逐一自分の都合のいいようにとってしまって、後々恥ずかしくなってしまいがち。 そんな学校生活のほろ苦くも甘い記憶を呼び起こす、可愛らしい恋愛小説。 優しい登場人物…続きを読む

少子高齢化社会が極まっていく中、非常に興味深いテーマで描かれています。 何をもって生きているかという、定義。 日本は長寿大国と言われてはいても、健康なまま高齢を迎える訳では無い…続きを読む

普遍的に存在する月を綴る幻想小説。 高い描写力と技術で描かれる情景描写は幻想的で美しく、時間を忘れて読むことに没頭させられます。 作者の他の作品も読みたくなる、そんな魅力あふれる短…続きを読む

リズムカルに綴られる、可愛い夫婦とハムスターの日常です。 飼う過程から名付け、日々の日常なにからなにまでコメディタッチで笑いを誘ってきます。ついつい一気読みしてしまいました……！ …続きを読む

最初の「紅い微睡み」は、単語選びと文章のテンポがとても秀逸。 気が付けば口ずさんで読みたくなるような不思議な中毒性のある文章です。 「人生、売ります」は巧みなセリフ回しで紡がれて…続きを読む

金木犀という花の要素を十二分に生かした、素晴らしい作品。何度読んでも読後の余韻に酔わされるようで、それは読者もまた金木犀の香りに酔いしれているからなのかもしれない……。

まだ序盤でのレビューになりますがご容赦ください。 淡い幼女の心を、優しい文章で滑らかに描く文章です。児童文学のような雰囲気。 複雑な境遇に、幼いながらの感情の機敏を丁寧に描かれて…続きを読む

裕福な王都と、壁に隔てられたスラム。 スラムの教会で身寄りのない子供たちを集めてともに暮らす、緋色の王様。 無邪気で純真で、けれどどこか歪な王様を中心に繰り広げられる群像劇。 特…続きを読む

多彩な語彙と独特のテンポで刻まれる、不思議な魅力的で引き込まれる作品です。

圧倒的な語彙力と、息継ぎをする間も与えない文のテンポ。息を止めて読み進めているうちに終わり、自分が初めて語彙に溺れていたと気付く。 語彙力の多さに反して読みやすいのは、言葉選びがリ…続きを読む

異世界転生ものにありがちな対人関係の都合の良さがみうけられず、リアルに淡々と進んでいく様がより主人公への感情移入を高めているかなと。これから主人公がどういった人生を送るのか楽しみで…続きを読む