澁澤　初飴

スランプの原因について、友人作家は「多分、人を殺したせいではないかと思う」と言った。ただしそれは夢の中での出来事だったと笑った彼だが、その後その夢と同じ状況で命を落とすことに。し…

投稿サイト選びは迷うものである。 初めてのひとも、乗り換えを考えるひとも。 カクヨム、小説家になろう両方を経験した筆者が、それぞれの利点、欠点を述べたいと思う。 サイト選びの参考…

卑怯だって、いいじゃないか。……だって君のことが好きなんだから。 　隣の部屋の彼女が、好きだった男にフラれてしまったらしい。 　俺がいい男だったら、「ただのいい男」として、慰め…

なんでカクヨム、コメディのタグないんでしょうか

水瀬玲は前世では別世界の勇者だった。 しかし前世で恋したのは世界を絶望に巻き込んだ魔女。 そんな彼女に恋した玲は、裏切り者の名を受けて処刑されて今の世界に転生する。 そして転…

田舎に伝わるとんぼに纏わる言い伝え、伝説の精霊とんぼの話 お盆にばあちゃんが突然眠るように逝ってしまった。 その葬式後、親族たちと食事の後、田舎のばあちゃん家の縁側で、夜空を…

　一年中が寒い冬のスニェークノーチ国。 　大昔は短い期間だけ「春」が訪れていたというが、その面影はとうに無くなっていた。 「春」を運ぶ竜と云われる春竜が、国に訪れなくなったためで…

お宿は、何かのお祝いだったり、記念日だったりで利用する事が多いですね。 宿泊客の特別な日に立ち会う度に胸が熱く、心が波立ちます。優しさや深い悲しみ、思い遣りや、人々が背負う機微を…

さなコン2に遅刻で参加できなかった作品を、加筆修正したものです。

うだつが上がらない同心、神山仁助はとある少女と関わるうちに、不可思議な事件に出会ってゆく。幼いころに神隠しにあった少女は、人には言えない秘密を背負いながら、捕物を陰ながら手伝って…

これは僕が昔、自殺付添人という仕事をしていた時の話だ。

何もかも忘れたい少年の話

「もうすぐ藍（あい）ちゃんの命日だね……」 僕、香月恵一（かつきけいいち）は都内で一人暮らしの大学一年生だ。 田舎の姉から六年前、急逝した幼馴染みの二宮藍（にのみやあい） 彼女…

平和な農村に突如飛来したドラゴン。甚大な被害を被り困り果てた村人は、専門家を雇い退治してもらうことにする。 村一番の正直者と評判の男が山向うの都まで専門家を捜す旅に出るが、連れて…

　プロ野球において、過去に主審へボールを渡す“ボールドッグ”を実験的に行った球団がある。 　その前例を知った千葉グレートキャッツのオーナーは、伸び悩む観客動員数の起爆剤を狙いチー…

　世界的な流行病の影響で、日常生活にも色々と制約を余儀なくされる昨今。 　そんな中でも、応援したい気持ちをちょっとした行動にしようと心がけている。ほんのちょっと、気持ちを添えて。…

厳しい親のもとで育ち、小さい頃からピアノを叩き込まれてきた僕は、ある日のコンクールを境に声が出なくなってしまう。学校や家、どこにいてもコミュニケーションの取れない僕が安らげる場所…

ある日の放課後、下駄箱を開けるとそこには一通の手紙が入っていた。中身はなんとラブレター、ただし差出人のところは何故か数字で書かれていた。僕はこの一世一代のチャンスを逃すまいと、貯…

　故郷彦島へ帰った僕はある彫像の事でトラブルに巻き込まれる。それは二十年前に起きた或る事件。そしてその事件を友人に相談するうちに、事件の核心に触れ、そしてやがて事件は解決する。 …

読者さんへ 評価の仕方について悩んでいませんか？

何事もない、残業終わり、「やったぁ、明日は休みだ！」ただ楽しく飲みに行きたかっただけの僕。

小学生の時、ふざけて学校の屋上で遊んで、落ちて。それが私が幽霊になる前の最後の記憶だった。私にいつも花を持ってきてくれる同級生の男の子への、温かいこの気持ちの答えを知った時、止ま…

殊能将之「美濃牛」のオマージュです。 タイトルの通り、物凄く記憶力の良い苔のお話です。

作者不詳のアプリゲーム、“インスタントディテクティブ”。これは、たった3分で終わってしまうこの推理ゲームをやり込み、研究し尽くしたとある一人の男の話

かつては国際的名声を得ていた作家。現在はホテルを転々とする日々を送っていた。 四半世紀前に書いた小説のために、彼は命を狙われていた。 ＊アルファポリスにも掲載中

抑圧に苦しむ人々を救うためとある博士が作り上げた、ネットワーク接続型人工知能搭載アンドロイド『リベレーター』。それは長い時間をかけて着実に人々を解放し、世論にも支持される様になっ…

人類との戦争に勝利したロボットだったが、メンテナンスが不可能になったため存続が困難になり、ヴィーレとミットライトの二体を残すのみとなっていた。ヴィーレはコンピューター上で進化を再…

　地球を遠く離れ、ついにマッハラカーンとシャッカン達は創造顕在神ミロクのもとに辿り着く。『いくぜ！　これが最後の闘いだ！！』神に抗う人の力は運命を変えるのか？　巨大念動仏像、魔破…

気がついたら、私のそばにはあなたがいた。だからずっとあなたを見つめていた。これは、近くて遠いあなたに触れた、最初で最後の物語。

子供が起きてくるまでの、夫婦二人の朝の時間。 こんな会話が日本のどこかにきっとある。

ある日、会社で新たに開発されたスマートウォッチ専用アプリ「見えるストレス」のモニターに抜擢された僕は、なるべくストレスを減らそうと様々な行動を試していく。

時は寛永四年（1627年）。奥州白石（しろいし）城にて、阿梅(おうめ)が弟の守信(もりのぶ)に請われて語った大坂の陣。彼女は父の最期を遠目から見ていた証人だった。

私は、気がついたら病院にいた。事故で一時的に記憶を失った私の前にいたのは、両親、友達、そして見知らぬ男性だった。毎朝一番にお見舞いに来る彼と喋るうちに、私は彼の記憶を少しづつ、取…

KAC20226「焼き鳥が登場する物語」 ※誤字修正致しました！（3/31）

亡くなってしまった大事な人を悼む女の話

　脚色されたライフログを消費することが社会では一般的になっていた。私はライフログデザイナーとして動画を編集していたが、ある時女性の自殺の動画が送られてくる。憎しみと怒りを脚色して…

　藤堂高虎。 　戦国乱世において主君を変えること七度。その変わり身の早さから高虎を快く思わない者達から“風見鶏”と揶揄されていた。 　節操のない変節を繰り返していると思われがちだ…

【第一部　本の舟・完結】 大洪水を生き延びた一握りの人々は、周辺を水で囲まれた塔の中に幽閉状態となった。食料の備蓄も尽きかけた時、そこにあったのは、洪水前に運び込まれた大量の書物…

ネックレスのチェーンに通して、肌身離さずその鍵を胸に納めて、依子は大切に、その日記にその日その日の思いを綴る。

毎日遅くまで頑張るあの子に、今日も私はごはんをつくる。 私とあの子といぬ。 おなかにやさしい夜の時間。

ろうそくの灯りで営業するバー。 物語はそこから始まる。

　採氷業を営むホータムは新しい氷場で氷を採取しステーションに向かう。しかしその途中で不可解な照明の異常が発生する。そしてコクピットの闇の中で、ホータムは男の姿を見た。船内を操作し…

高校生の清岳は、フェリーと電車で二時間かけて通う高校生活に楽しみを感じられずにいた。しかし担任が段田蜜子先生に代わり、彼女の魅力に取りつかれていく。ある日天候が荒れ、電車もフェリ…

本作はとある王様がとても難しい選択を迫られるお話です。作中で正解は示されませんし、そもそも無いと思います。きっと読者様の数だけ正解があるのでしょう。 たった２０００字ほどの短編…