阿井上夫

六月六日の雨の晩に居酒屋『小暮』を訪れた男は、予約席で分厚い手紙の束を読み始めた。店主の小暮はその男のために料理を二品作り始めるが、アルバイトの菜摘は小暮の「意外な対応」に驚きを…

男は人生最大の決断を迫られていた。この決断が二人の今後を左右することを考えると、手の震えが止まらなくなる。「幸福」「成功」「安心」……ポジティブなイメージを必死に思い浮かべながら…

自分の好きな本や気になっている本を、これはという物語設定の中で使ってみる小説です。 ○第一話の最後の台詞は、実際に作品を読まないと意味が分からないかもしれません。 ○第四話は既出…

青鬼は赤鬼の如く猛り狂った。「現世の連中は何をしている。ちゃんと教育していないのか」と。しかしながら、捨てる神あれば拾う神あり。彼の行く先は定まった。いやもう、これからの地獄は大…

タイトルの通り「小説で弓を扱いたい方」向けに、最低限の知識を提供する講座です。日本の弓道はもちろん、私が知っている範囲で弓全般の話題を取り扱いますので、ファンタジーで嘘っぽくない…

＊担当者の憂鬱シリーズ　ある日、佐藤俊夫は記憶喪失状態で道に倒れていた。それを救ったのは旅館の女将である霧原静子で、彼はそのままその旅館で働くことになる。彼の素性を怪しむ同僚達を…

自分がなぜ小説を書くのか考えてみた。 （追記） 最近になっていろいろな方から評価して頂けるようになって、とても嬉しいのですけれど、作者は褒められることがとても苦手な人間なので、手…

タイトル通り「フルダイブ型ＶＲＭＭＯＲＰＧ」の実現可能性について考える短編の続編です。とはいえ、技術的に面倒臭い話はしませんし、私にはできません。中学生レベルで理解可能な内容です…

（予断を与えないため、あえて入れません）

マイクテストから始まる物語。マイクテストで終わる物語。 三月十一日、連載七回目で完結します。なお、第七話の地名「閖上」は「ゆりあげ」と読みますが、更新時間を変えたくないので、ルビ…

某公共放送局の某大河ドラマの宣伝番組を見ていて、和弓が登場したシーンのあまりの酷さに唖然としたので、ここで吊し上げることにした。そんなに難しいことじゃないんだから、ちゃんとやりま…

襖の向こう側に広がる異世界の物語

その日の朝、彼は新しい能力に目覚めた。

「フルダイブ型ＶＲＭＭＯＲＰＧ」の実現可能性について考える短編です。とはいえ、技術的に面倒臭い話はしませんし、私にはできません。中学生レベルで理解可能な内容ですが、夢が壊れる可能…

これは「生体装甲『神白狼』」を読む上で必須のものではありません。それに、読むと腹が立つかもしれません。しかも胃もたれするほどくどい内容です。それでもよければ、胃薬を準備してからお…

概念汚染による混乱と引き換えに、生体装甲の開発競争を繰り広げる魔法世界ボルザ。相田雄一は、神官により地球からミッドランド王国に転写され、権力闘争に巻き込まれることになった。哀しみ…

初めに警告しておきます。ご飯を食べながら読まないで下さい。

ただの雑談ですから本気にしないで下さい。

大変申し訳ございませんが、元ネタが分からないと全く楽しめません。

皆様が乳児の頃の物語。貴方は彼らのことを覚えていますか？ (PV83/★29=2.86)

臨終の間際、男は最後に一体何を望んだのか。 明日は我が身の物語。必ず前編から読んでください。

彼が引きこもりの元祖であることに気がついたのは、去年のことでした。

ある日、以前住んでいたところの踏切が「開かずの踏切」で、すごく迷惑だったのを思い出した。そのついでに「ところで、開かずの横断歩道というのは実現可能なのかな」と考えてしまった結果が…

冬の王と夏の女将。決して出会わない二人を繋ぐ道化。季節を繋ぐ寓話

昔、確かにこんな遊びがありました。でも、彼のそれはちょっと違うと思います。

最後の最後のそのまた先にある世界で、彼はついに成し遂げた。

ＴＶのニュースは、出来事のすべてを赤裸々に報道する。眼で見るな。心で感じろ。

彼がいなかったら今頃は大変なことになっていた。

二〇二〇年には多分こうなります。

親父ギャグを決して舐めてはいけません。実はすごいんです。

阿部美代子が所属する仙台第一女子高校弓道部は、他校のコーチから「三十年前の伝統校も、今や面影なし」と揶揄されるほど、技術的にも精神的にも停滞していた。現在の部員数は、二年生が一人…

母親の再婚により町人から武士になった宗太。過去の痛ましい事故の後遺症に悩まされる清二。口煩い母親に縛られる巳之助。再婚相手の母親に馴染めないお園。それぞれの葛藤を乗せて猪牙舟は進…

最近の「子供の描いた絵」は凄いことになっている。私はそのことを「母の日」に実感した。「母の日」が終わってしまった皆様の場合、次にそのことに気がつくのは「父の日」になるだろう。但し…

＊「担当者の憂鬱」シリーズ 組合の窓口担当者は、日々寄せられる組合員からの相談内容に四苦八苦する。高齢者問題や若年労働者の離職、年長者による指導・教育の問題や業種間の処遇格差、女…

＊「担当者の憂鬱」シリーズ 「面接中も語尾を延ばして喋る」「真面目で練習熱心だが、本番と応用には弱い」若者たちを、面接担当者は評価し続ける。何時になったら「これは、本物だ！」と、…

＊「担当者の憂鬱」シリーズ 飼育員は思う。最近の飼い主は責任感がなさすぎる、と。昔の飼い主には情があった。やむなく手離す時には、行き先の確保に奔走したものだ。それが、最近の飼い主…

＊「担当者の憂鬱」シリーズ 彼は混雑した電車の中で考える。個性を殺さなければ電車通勤は難しい。都心に向かう朝、都心から帰る夕方、乗客から個性を奪って電車は疾走する。しかし、それを…

＊「担当者の憂鬱」シリーズ 異世界に転生した俺が特殊な能力で、婚約破棄された伯爵令嬢その他を取り込みながら成り上がってゆくという、皆様お好みのあれやこれやをすべて詰め込んだ大変豪…

この作品はフィクションであり、実在の団体及び個人とは一切関係ございません。もちろん、個人的な体験談や事実関係ともまったく無縁であり、作者自身が経験した現実とも関連がないことを、作…

地球外知的生命体を探査するプロジェクトは歴史的な転換点を迎えていた。これまでの反省を生かした斬新な発想により、アクティブＳＥＴＩのメッセージが発信された結果、知的生命体からの返信…

＊物語は、旧日本軍の「ある日の出来事」から始まり、未来の話で終わります。六章構成です。 　長野県松本市の小学校に通う笠井瞳子は、愛読している覆面作家の正体が「同級生の父親」と聞…

小学五年生の笠井瞳子は両親の関係に疑問を持っていた。親友の山田聡子の自宅に遊びに行き、その両親の親密な様子を見ていると、自分の両親の関係が不安定なものに思えて仕方がない。そんな瞳…

朝、笠井瞳子と山田聡子は学校が騒がしいことに気づく。人の流れを追って校庭に行くと、そこには巨大な鳥の文様が描かれていた。その絵を見て動揺する山根に、瞳子は「ある日の出来事」を思い…

笠井鞠子は幼い頃、長野県警山岳遭難救助隊の神条が遭難者の救助にあたっているところを見て以来、「正義の味方になりたい」と考えていた。高校生になった鞠子は学校の文化祭で神条の講演を企…

笠井洋は会社の上司から海外転勤を打診される。その話の裏に何か別な意図がありそうだと考え、即答を避ける洋。同じ頃、笠井鞠子は松本警察署長から事件が県警本部預かりになったことを告げら…

小学校は夏休みに入ったが、笠井瞳子に会えない山田聡子は元気がなかった。一方で聡子は、瞳子に関わる掲示板の書き込みを鈴木真凛とともに密かに探り始めていた。また、笠井鞠子の退職に伴っ…

図書館でのひととき。彼女にとって僕は紙魚で、僕にとって彼女は眼中の人だった。

今年もあいつはやって来た。誰でも知ってる有名人。なのに腰は低くて優しい。けれども何故か厄介者。さて、誰でしょうか？

そこの若いの。若気の至りというのは、場合により後悔だけではすまないよ。安易に列に並ぶのはやめなさいね。

針というのは結構危険だ。刺さると眠ってしまう人もいる。しかし、糸も危険である。安易に引いてはいけない。