「銘仙」を含む小説

　頭部を切り落とされ、傷口に蛆が湧いた女の身体だった。 　村の道祖神の後ろに、四肢を投げ出して転がっていたそれ は、臙脂色の銘仙を纏っていた。八重が好んでいた着物に、 村人の誰も…

お題「はなさないで」です。 月岡病院で、幼なじみを亡くしたばかりの英ヱ(はなゑ)。小間使いの娘が、「はなさないでらすけな」と言って、腕を引っ張る。 英ヱ出演作「銘仙の悪魔」の解釈。

　進駐軍占領下の昭和二十二年春。東京の隅田川にかかる厩橋そばのバラックに住む二十一歳の女性、横澤かつらは貧しいながらも弟の康史郎と助け合って暮らしている。 　かつらは仕事場である…

強い女性が主人公という企画がありましたので応募してみました。 別に戦闘能力があるとかそういう強さではありません。気持ちの強さとか、その様なものを表したかったのです。

亡き母が遺した、銘仙と言葉。この銘仙が似合う娘が、花嫁になるのだと。 「秋に映える」英ヱ(はなゑ)ちゃんの家の話。

この頃の己れというものは、いったいぜんたいどうしてしまったのか、焦燥に焼かれながらも何をするでもなくお空の青いや星々を眺めるばかりで、ただ、寝て起きて三度の飯を食べ、その後に決ま…

なかなか口に出して言えないこともあると思います。そういうところの微妙な動きって、何なんだろうなと思うけど、そのあたりを書いてみました。着物以外にもあるのではないでしょうか。

企画用描き下ろしです。医療関係の小説という企画があったので応募させていただきました。ちょっと、七千文字では、表現が足りませんでした。ごめんなさい。

このお話は、着物の種類について書いたのですが、着物自体が身分制度に起因することは、結構あるものです。

珍しい職業を扱った小説という企画がありましたので、応募してみました。和裁屋という職業は珍しいのでしょうか？ 今でこそ、かわいいといわれている銘仙ですが、偏見の強い着物であることは…

差別的に人を扱う佐藤敬への、須藤有希が行う執拗な復讐を 描いたもの。ちょっとばかり悪女ものですが、完全な悪にも なれないんだなと思いながらこのお話を書きました。とりあえず、 描く…

今でこそ流行っている銘仙ですが、昔はさほど良いものではありませんでした。現在でも着用を認めない人もいますし、「人前で着てはいけない」と注意する人は数多くいます。かわいらしいという…