『一蓮托生~蓮華の下で結ばれて~』を読み、戦後の混沌とした時代背景の中で生きる人々の絆と再生の物語に深く心を打たれました。主人公・かつらの強さと優しさ、弟・康史郎との絆、そして京極隆との出会いを通して描かれる希望の光がとても印象的です。かつらが闇市で奮闘しながらも人を思いやる姿は、まさに逞しい昭和の女性像を体現しており、胸が熱くなりました。康史郎や葵がそれぞれの問題と向き合う姿もまた、私たち読者に勇気を与えてくれます。翡翠の玉や謎の男・八馬が物語にミステリー要素を加え、最後まで目が離せませんでした。
戦争が奪った日常や人間関係の喪失感が描かれる一方で、かつらが未来への希望を見出していく姿や、隆や康史郎の成長とともに、人々の絆が再生への光を見出す様子は、戦後を生き抜いた人々の力強さそのものです。
本作は、戦争を知らない世代にも、家族や絆の大切さを改めて考えさせてくれる心温まる読後感が広がる物語でした。
戦後を舞台とした作品ということで、時代背景として難しい時代だと思ったので、正直なところ、当初抵抗がありました。
空襲で焼き出された姉・かつらと、退役軍人である康史郎の恋愛物語ですが、読み進めるなかで巻き込まれる事件と、みんなで協力して解決していくさまに、人の温かさを感じることができました。
戦後の日本という、難しい時代を舞台とした、カクヨムでは珍しい作品です。
「あとがき」にあったカクヨムコンへの応募や電撃文庫では、レーベルのカラーと合わない可能性を感じましたので、雑誌等の文芸作品へのご応募をされたほうがよいような。
そこだけ少しったいないと感じますので、求められているところにご応募されることを期待しております。
1人では、考えもしなかったこと、やるはずもなかったこと、見ることもなかったもの。
大切に思える「誰か」がいてくれること…その存在があるだけで、強く生きられる。
「ささやかな強い生」は、なによりも暖かくて、美しくて。
前を向くまでの時間や機会すら与えられず、ただ時代に殺されていった人々の中で、きっと、こうした強く生きた人たちが時を重ねてくれた、そう感じさせてくれる作品です。
マジメ・チャウでした。
新聞・雑誌の連載小説かと思うほどっ(´・∞・`;)
「戦後?…重い話なのかなぁ」と思ったあなた。
ほっこり、キュン、ハラハラ、しんみり、キュン、目白押しですよ、あなたっ( ´・∞ ・` )
最後は、心洗う美しい涙をお約束します(´・∞・` )
戦後を強く生きる人々の物語。
そう聞くと「難しそうな話だな」と苦手意識を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、本作においてはそんな心配は無用です。易しい文章表現と、個性的な登場人物たちが織りなす物語に、気づけば貴方は夢中になっていることでしょう。テンポがよく、それでいて細部にまで配慮の行き届いた筆致はまさに圧巻の一言。軽小説の趣を維持しつつも、時代背景や小道具を疎かにしない構成からは、作者様の作家としての練度の高さが窺えます。
そんな中でも本作の醍醐味は、やはり人のぬくもりが繊細に描かれている点でしょうか。厳しい生活の中にある悲哀ばかりに焦点を当てるのではなく、そんな状況で生きる人々の逞しさや情の厚さも同様に書き込まれています。その表現力たるや、思わず読み進める手を止めて見入ってしまうほどです。本作から得られる勇気や感動には、なにものにも代えがたい尊さがあります。これぞ人間ドラマの神髄。このぬくもりを一人でも多くの方に感じ取っていただきたいです。