最初の語り口調からすでにこの新田先生の人間性や性格的なものがすぐ読み取れます。いるいるこういう人。とか、良い人なんだけど面倒くさいタイプ。良く言えば大先輩。悪く言えば老害。みたいな人柄。私はこういう作品はニヤニヤしながら読んでしまうくらい好きなので、いまさっき読めてテンション上がりました。独特な空気感がありますが、起承転結がしっかりしていて、物語の基本もしっかり抑えられているから、これから物語を書いてみたいという方にもオススメ出来る作品だと思います。
『小森の花嫁』、『マジックアワー』に続き、津多さんがまたやってくれました。男の独白で物語は進んでゆきます。小説を読んで貰えないと悩む夫とそれを支える妻。彼の創作を理解出来ない、現代の若者。辛辣な評価。しかし、ラストで全てが分かります。4000文字と文字数も手頃ですので、まずは読んでいただきたい。繊細で、優しさに溢れた津多さんならではの作品です。素晴らしい!
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