「羊水」を含む小説

　異星からのスペースデブリ群が太平洋に墜落して二十年。かつて東京メトロと呼ばれた地下トンネル網は水没し、巨大化したブラッドワームの巣窟となった。 　荒廃した東京の地下を、金属牙を…

昔々、よどみ池という流行り病を患った死者をすてる池があった。 病から逃れようにも、付近の森には鬼が住んでいるときいていた。

　遠い未来、遥か彼方の星々のどこかで。 　不条理によって戦争に叩き込まれた元少年は、少女となって、二脚歩行型自律支援兵器―――シミュラクラに乗り込み、戦うことを強いられる。 …

家族関係に難があり、ついつい相手によって態度を変える「卑怯なコウモリ」に出てきたコウモリのような綾香と、不思議な魅力の中で、自分を好きになってくれた人が分かり、その人が後ろから見…

第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト 二十句連作部門応募作

知り合いの先輩に連れて行ってもらった風俗で、正樹は自分が相手に身を委ねることの素晴らしさを大切にすることを思い出していた。最近の正樹は騒音に悩まされていることもあって、委ねること…

女学生の恋

ぼくが生まれたときの話。

ねえ兄ちゃん、知ってる？ 生まれてこなかった赤ちゃんって、水子っていうんだって。 でね、その子たちが、10歳の誕生日になると、家に帰ってくるんだって。 もし彼らが一日だけ、生き…

【第4章魔術学校編、完結！】 「世界を救う神器〈兵器〉を探せ」 一国の王から命じられた魔族の少年リオは、相棒のカーンとともに世界をめぐる旅に出る。 砂漠の港に始まり、魚人族…

詩及び散文集です

弥（いや）はるかなる　古代（いにしえ）は いまだ天地の　境なき 羊水（マウィド）の野原　鹿脂（カルシ）の天 架空の東欧、あるいはユーラシア風民族叙事詩です。 いずれこのアッティ…

階段の踊り場で、母が規則正しいリズムで踊っている。 トントンタッ　トントンタッ 口元には絶えず笑みを浮かべ、目をうっとりと閉じている。 身に纏った衣装はショーウィンドの中の、…

何故、僕を産んだの… 非常な母の声に、子は羊水の中で哀しみを抱き、生まれ出る 昭和40年代鎌倉を舞台に孤独に寄り添うように生きた少年二人 母性とは何か、子供とは… 哀しいほ…

■あらすじ 　女子高生、芹那りらせは 　朝、自宅で目を覚まし、遅刻ギリギリであることを悟る。 　急いで自宅を出て走るりらせの元に、電話がかかってくる。 　弟は攫われ、爆弾が埋めら…

何の理由もなく人を殺したい衝動に駆られる僕。隠しながら生活を続けていたところ、ある日不登校だったクラスメイトと出会う。彼女はとても殺し甲斐がありそうで―― 電撃二次通過作です。…

　そこには仙人と呼ばれる一族がいた。彼らは肉体の寿命を迎えると、大きな石棺の羊水の中で胎児のように眠り、やがて再生復活を遂げる。 　今、復活の眠りから覚めた仙人のローデヴェイク…