「海外ホラー風」を含む小説

それは子供の頃からあった。 「僕」ことピーター・レスターには、夜や暗い場所にいると、視界の真ん中に黒い点のような暗闇が見えていた。医者には弱視のようなものと判断されたが、昼間に問…

南太平洋に浮かぶ小さな島、ギベレー島。海外領土でありながら無人島で放置されている島の測量をすることになった「僕」を含めた五人。 近くの島の住人からは忌避されているものの、意外にも…

メアリー・レフラーは、自由を憂い、不変であることを愛した。いつもと同じ朝、いつもと同じ椅子、いつもと同じ日々。善き夫を立て、一歩引くことが善き妻であると信じている。だからこそ、夫…

ゲーム実況者として活動していたジョーンズは、格安で手に入れた郊外の新しい家で配信を再開した。しかし配信部屋のガラス戸の向こうから、奇妙な手が映っているのを指摘される。心霊現象だ。…

仕事のためでもあった。とある村の入り口にある「呪われた首吊り死体」の話を聞いたジャックは、好奇心からその村へと向かう。果たして死体は偽物なのか、それとも本当の死体なのか。 しか…

マーガトゥンは幻想写真家Mを名乗り、幻想生物をネットに公開していた。 それは制作された生物たちだ。 インターネットが普及し、在野のクリエイター達があちこちに居る現代では、昔のよう…

アントン・コムニーは眼鏡収集家だった。 古今東西から眼鏡を蒐集していた彼は、ひょんなことから魔術師が持っていたという水晶の眼鏡を手に入れる……。 眼鏡をかけた途端、その先に見え…

サンドルク領主のひとり娘セシリアと、娘婿ジェロームの婚礼は盛大に始まった。 庭師の男に襲われかけたセシリアとの結婚を承諾し、晴れてサンドルク領主のリエーヴル一族に迎えられたジェロ…

海外ホラー風短編集。怪物ホラーや怪奇幻想文学を目指したホラー作品集です。 収録作：「エーゼルランド島の怪物」「フラッフィー」「緑の沼」「死体処理」「ある幻覚剤について」「ウォータ…

海外ホラー風短編小説。ザゲ市にあるデニー通りでは、決して歌ってはならない。特に賛美歌は。それは通りに住む者なら誰でも知っていることだった。そんなとき、デニー通りの古いアパートに、…

マピスコ・プルトクフス、マピスコ・プルトクフス……。 精神科医のトールス医師の元に同じ単語を呟き続ける少年が、父であるデマン氏に連れてこられた。訊くと、少年は一昨日の夜から突然…