「朧気」を含む小説

　始まりは名前も知らない異世界の地だ。そこの薄汚れた下水道で、俺は浮浪児共に抱き着かれた格好で目を覚ました。 　チート？　んなもんねえよ。あるのは、朧気な『ディートハルト・ベッカ…

遠く古き伝説の魔法使いヴァニタス・アーミタイルと同じ名を持つ侯爵家嫡男ヴァニタス・リンドブルム。 彼は小説『・・・・・・』の劇中に登場する悪役の一人であり、後の世で極悪非道の限り…

『SSTG』はセハザ《no1》の第３作目に当たります。＜不定期ですが更新継続中＞ ＊＊＊＊＊あらすじ＊＊＊＊＊ 　路地裏、明かりの届かない建物の狭間で響く声。 人影が人を殴り倒す…

一家代々受け継がれていた人形の紙札 とある少女は追い詰められた先々、偶然その札の効力でヌイグルミに魂を移してしまう。 ユナという名前と、札を付け狙う黒服に追われているという朧気な…

「ウクライナの今日は、日本の明日かもしれない。だから今、ここで我々は、この武器の引き金を引くのだ」 全てはある空自ウォッチャーの『気付き』から始まった。 「岐阜基地からあの日の…

ルミア＝セレスは故郷の村がとある新事業に活気づく中、村が土砂崩れに巻き込まれ滅ぶという悪夢に一人うなされていた。朧気な不安にかられる彼女だったが、その悪夢の意味にたどり着けないま…

木々が生い茂り、手入れが行き届いていないのか地面は膝丈にもなる草が沢山生えている。今思えば獣道より酷いかもしれない。 「息を止めて5周でしょ？」 「うん」 「かなり距離があるね…

　豪商フォルチュナ家。建国の英雄を祖先に持ち、何度も叙勲を打診される功績を上げながら、頑なに辞退するも、それさえ忠臣と見なされる名家。 　そこに生まれた、一人だけ地味顔の末っ子…

昔にぼんやりと思い描いていた物語を、一話完結の文章に直しました。 初のしっかりとした短編となります。 楽しんでいただけたら幸いです。

　中学校の卒業式の日、電車に跳ねられそうな同級生を助けて死んでしまった｜「不可三 正一」《ふかみ しょういち》は死を悟った瞬間、朧気な光に包まれ薄れゆく意識の中何者かの声を聞いた…

「熱っ！」 差出人不明の手紙で火傷を負ってから、瑠璃の周囲で不可解な現象が起こり始める。 体育の時間、校舎の影で鱗を纏う男を見た。 蛇口から現れた六つ目の白蛇は、息絶える寸前「ヒ…

　そいつのためなら、どんなことがあっても必ず味方でい続ける。 　俺……氷室京水（ひむろきょうすい）には昔、そう思えるほどの親友がいた。 　でもそいつは、小学2年生で転校してしま…

私は今8回目の人生を生きている。5回目からは朧気な過去の人生の記憶がよぎるようになった。5回目に生まれ変わったとき、人の生まれ変わりの回数と人間性が見えるようになり、恐ろしかった…

　技術、人脈、容姿――。 　おおよそ騎手として求められる全ての要素を兼ね備えていると目されていた若き天才ジョッキーはG1レース中での事故でこの世を去った。 　死後、女神のような…

男女比は2：5です。 婚活サイトに登録し、マッチングした人からこっぴどく振られたせいで前が良く見えずバスに轢かれて死んでしまう。 その間際に見えたのは、姦しく談笑する女性たちに目…

現代の日本に住んでいたとある男子高校生がいた。 授業中に突然倒れ、病院に運ばれた後に告げられたのは難病と余命。 最初こそ治療法も探したりしたが一切見つからなかった為に精神が安定し…

不完全な異世界転生をし、前世の記憶を朧気にだけ持つ主人公。 その朧げな記憶でも思い出せることがある。 それは、婚約者である侯爵令嬢と結ばれると凄惨な結末が待っているということ。 …

魔獣被害の報告を受けて辺境の田舎に駆り出された『ミレパクト騎士団』。しかし、村は既に壊滅しており生存者は倒れている青年ただ一人だった。 記憶の朧気な彼『雨宮クロツミ』は騎士を目指…

十六歳のヒバリは、四年前から七つ年の離れた兄のカガリに《歪な感情》を抱いている。 きっといずれは抑えられなくなる…いや、もう抑えきれていないのだろう。 ──ずっと昔から、カガリ…

時々、意味もなく、深夜に散歩に出掛けることがある。 特に、酷く降った雨が上がった後には。 繁華街の鮮烈な電光。鏡のような水溜まり。何もかもが朧気な『彼女』。 ……私が出会っ…