概要
『男友達』だと思ってたんだ。……再会する、今日までは。
そいつのためなら、どんなことがあっても必ず味方でい続ける。
俺……氷室京水(ひむろきょうすい)には昔、そう思えるほどの親友がいた。
でもそいつは、小学2年生で転校してしまった。どうやら親の都合で、海外に引っ越してしまったらしい。
二度と会えないかもしれない。俺は小さいながらにそう思い、泣いたのを覚えている。
もう顔も朧気で、名前しか覚えていない。
火咲奏多(ひさきかなた)。
元気で、活発で、いたずら好き。誰とでもすぐに仲良くなれ、少し喧嘩っ早い。
あいつは今、外の国でも元気でやっているのだろうか。
「火咲奏多です。よろしくお願いします」
そんなあいつが、高校1年生の時に転校してきた。
──女物の、制服を着て。
「お前……女だったの!?」
「気付いてなか
俺……氷室京水(ひむろきょうすい)には昔、そう思えるほどの親友がいた。
でもそいつは、小学2年生で転校してしまった。どうやら親の都合で、海外に引っ越してしまったらしい。
二度と会えないかもしれない。俺は小さいながらにそう思い、泣いたのを覚えている。
もう顔も朧気で、名前しか覚えていない。
火咲奏多(ひさきかなた)。
元気で、活発で、いたずら好き。誰とでもすぐに仲良くなれ、少し喧嘩っ早い。
あいつは今、外の国でも元気でやっているのだろうか。
「火咲奏多です。よろしくお願いします」
そんなあいつが、高校1年生の時に転校してきた。
──女物の、制服を着て。
「お前……女だったの!?」
「気付いてなか