「ふたりだけの世界」を含む小説

時間は、止まったままだと思っていた。 あの日、過去をひとつ手放した朝—— 圭の“時計”は静かに動き始めた。 ダナン、香港、中国、そしてプーケット。 異国の街で出会った蓉という女…

気になる彼女、柊美空に告白した彼、南雲悠一。だが、南雲は美空にあっさりと断れてしまう。そのとき、運命のいたずらか、二人は見知らぬ異世界に迷い込んでしまい── といった、男女それぞ…

電車の中で居眠りをしたナカタニマサヤは、夢の中の見知らぬ世界で青年イブンとして生きていた。 しかし、イブンの人格こそが現実だった。 「私はこの世界の人間じゃない！」 夢現の…

死神が去り、世界から“死”が消えて十年。 光があふれすぎた世界では、命さえ燃え尽きぬまま苦しみ続けていた。 太陽の化身・ギュールズ。 理を撃つ武器・アジュール。 相反するふた…

陸翔は二か月間、自室に閉じこもり、世界との関わりを断っていた。 ある日、彼の窓に一機のドローンが現れ、すべてが変わり始める。 そのドローンを操縦していたのは、稀な病気のため一度…

ある日突然異世界に飛ばされたふたりの王子。お互いの領地はライバル同士、さらに使う武術の党派も剣と法術で対立中。そんな状態で『妖精の国』に飛ばされたふたりに降ってきたのは『魔物の女…

人間の国と魔物の国は、高い壁を隔てて二つに分かれていた。 永い争いが収まっても、人間たちは魔物を敵視した。 勇者・暗夜（あんや）は生まれや過去のせいで王族たちに虐げられ、心を病…

深夜。世界が少し静かになる時間に、ユキナとつよ虫は、ひとつのテーマをそっと机に置き、会話を始める。 ニュースのざわめき、SNSの揺らぎ、日々の小さな出来事……。 ふたりは決して専…

　いつもと変わらない朝の通勤電車。事故に巻き込まれた乗客たちは、次に目を覚ました瞬間、見渡す限りの大平原に車両ごと転移していた。 『日本に戻るか異世界へ旅立つか』 　２つの選択を…

訳アリの教師二人が仕事中、生徒の異世界召喚に巻き込まれました。 いやもう、勇者とか騒ぐ年齢でもないので。 もう戦いとかお腹いっぱいで、はい、間に合ってます。え、キャンセル不可？　…

「力を貸して下さい！　ついでに、明兎くんをください！」 　空気系男子、明兎の前に現れたのは、美少女ヤンデレのそらら。 　自称〝人に寄り添う〟部活を立ち上げた彼女は、クーデレ優…

規定世界――私たちの暮らすこの世界は、異世界からそう呼ばれている。 異世界は規定世界の想像力で形作られ、それゆえに規定世界で起こるイメージの変遷やミーム汚染によって災害級の被害…

誰にも言えない痛みを抱えて、 誰にも見つけてもらえないまま、わたしは教室の隅でひとり、息を潜めていた。 家には帰りたくなかった。 愛されることも、信じることも、もうやめたはずだ…

僕、双葉颯介は昔から静かな“本好き”の少年だった。 誰かに強く求められることもなく、誰かを求めることもなく、 ただ活字の海に沈みこんで生きてきた。 そんな僕の前に現れたのが、三ツ…

文明が崩れ、地図も秩序も失われた世界―― かつての首都跡地で出会った二人の少女、ミナとユイ。 「この国に残された希望」そんな噂だけを頼りに、ふたりは《緑の塔》を目指して歩き始め…

女子校で始まった、ふたりの出会い。 明るくまっすぐな陽菜と、静かで少し不器用な月見。 まるで正反対のようなふたりは、偶然の隣席から少しずつ距離を縮め、 やがて、友情の名を借りた「…

主人公「紫音(シオン)｣の前に突然現れた、どこか見覚えのある女「ルナ」。 彼女の艶やかな香りと謎めいた言動は、忘れていた“ある夜”の記憶を徐々に呼び覚ましていく。 夢で感じた血の…

この世界に生まれてはいけない命――それが、ナザル＝エルドだった。 蒼い瞳を理由に“忌み子”として捨てられ、辺境で孤独に生きる彼は、ある冬の日、同じ蒼の瞳を持つ少女・アウリアを拾う…

カクヨム短歌賞【ナツガタリ'25】の10首連作部門応募作品です 『封じた言葉』――それは、愛の始まりか、終わりか。 触れたら壊れる。でも言わせない、言えない。 「愛してる」とい…