「それでも消えていく」を含む小説

世界が滅びることを、誰も知らない。 ……俺だけが、それを覚えている。 「後悔なんてない」と言えば――それは、嘘になる。 正しいのかどうかなんてわからない、 それでも俺は、選ん…

「つらい」「さみしい」「くるしい」…心の中に“キツネ”がすみついた子の目の前にだけ、固く閉ざされたはずの屋上への扉が開く。 そこにいるのは、キツネ面をつけた不思議なあやかし「コ…

女子高生・相沢夏海は、ある日突然見知らぬ母娘3人組に拉致される。 目を覚ますと、彼女たちは「夏海は詩織」だと言い張り、実の娘／妹として扱い始める。 そこから始まるのは、肉体的な監…

中学一年生の水島涼介（みずしま りょうすけ）は、顔が河童に似ていることを理由に、クラスメイトから日々いじめを受けていた。彼の顔は、誰が見ても異常に歪んでおり、そのため周囲からは「…

「またあしたね」 そう言って笑った彼女は、 ある日、事故で突然いなくなった。 それでも僕には──彼女の姿が見えた。 でもクラスの誰も、彼女の名前を思い出せない。 教室から、ノー…

　人類初の恒星間航行という使命。最新鋭宇宙船『アルゴ・ノヴァ』という舞台。 　僕、星島アキトは、植物学者として、他の5人のエリートクルーと共に、人類の未来を担う希望の旅へ出るはず…

『わたしたちの街のどこかに、不思議なお店があるらしい——』 放課後の路地裏で、11歳の少年・ヒバルは偶然「ハコブネ堂」という古びた店を見つけます。 店主は右目が時計の文字盤になっ…

猛烈な吹雪に閉ざされた山道で、４人の男女――匠、美咲、圭太、愛――は日産ノートに閉じ込められる。燃料はわずか、防寒具は限られ、エンジンを止めれば凍死の危険が迫る極限状態で、匠が最…

「世界、終わらなかったね」 白髪ロリの彼女が告げる。二人だけの文芸部。 一昨日世界が滅びそうになった事実は闇に葬り去られている。 実はこの日常は薄氷の上に成り立っているらしい。…

ボクが間違えるたびに、キミはそれを消してくれる。 でも、ボクらは気づいていた。 このままでは、どちらかが先に終わることを。 それでも抗い続けた。 ほんの少しでも、長く一緒にいる…

……邪魔な線だけ消すから、消線？ かっかっかっ。チョークの音が鳴る。 かしかしかし。鉛筆の音が鳴る。 消してしまった線、僕の消しゴムと、橋本くんの消しゴム。 誰にも気づかられな…

黒薔薇の呪いを背負った綺羅星ルナは、20人の婚約候補と「契約のキス」を交わす運命にある。 キスをした相手は必ず幸福になるが、代償としてルナはその人との記憶をすべて失ってしまう。…

「金曜日」が、どこかおかしい。 高槻沙耶は、ありふれた日常の中で、誰にも気づかれない違和感を抱えていた。 ふとしたきっかけで読み返した日記には、書いた覚えのない「自分の筆跡」。…

たくさんの場所に暮らし、たくさんの人と出会い、別れてきた。 学んで、触れて、経験してきたことが、いつか自分の価値になるはずだった。 でもそのすべては、何ひとつ身につかず、私には…

第一章【死薬師と放課後に消えた少女たち】 静かな街にある、常葉高校。 その放課後、教室で少女の遺体が発見された──。 自殺と断定されるなか、違和感を覚えるのは、ただ一人。 人…

情勢不安と、民衆を脅かす脅威に立ち向かう、国家憲兵警察隊。 時に導き、時に誑かし、貶める、魔性の存在。人でなし。 交わるべきでないものが交わるとき。そして、交わるべきものが分か…

⦅★★★☆☆⦆ ⋘⚠胸糞悪い･リアルフィクション･アイドル⋙ 国民的アイドル、小宮真奈。完璧な笑顔の裏で、彼女の心は摩耗していた。写真家、ジャーナリスト、そして狂気の映画監督。出…

恋愛とは無縁の人生を過してきた少女、藤谷渚。 なんとなく聞こえてきたピアノの音色に惹き込まれ、音楽室を覗くと、そこに居たのはクラスメイトの豊崎奏斗だった。 恋なんてしないし、した…

毎年ひとり、世界のどこかで「顔」が消える。 その不条理な現象は、ある日、人気女優・神谷美雨を襲った。 目も鼻も口もなくなった顔。 人々の視線は憧れから侮蔑へと変わり、彼女の居場…

いつしか見た夢。金髪ギャルと手を繋ぎ、色んな姿を見て、イチャつく。そんな夢。目が覚めれば夢は儚く記憶の彼方へと消えていく。 この時の私はまだ知らなかった。 夢があるべき一つの未…