「枯れないで」を含む小説

　沈黙が村を噛み締める。 　暗い空の下、項垂れた女性が石段を登ってゆく。 　女性の名はサラ。 　村ではまるで旧約聖書のヨブ記に登場するヨブの如き存在と囁かれ、今は誰からも忌み嫌わ…

「僕」は、命を落とす者の最期の瞬間の言葉を理解できる能力を持つ。人間、動物、あるいは植物までも。生きた事実のある者たちの言葉は息絶える瞬間、彼の内側へと伝播し、そして彼自身の脳内…

　ある山間の小さな村があった。 　その村に住む男、久作は長い間、村の稲を守る祈りを捧げる神職を務めていた。 　彼の日々は決まり切った営みと、徐々に弱る躰と共に重たく、しかし確かに…

　時は平安の世。貴族達が風流を語り合う云わば文化の時代。 和歌、音楽、文字の上手さ…それらは「ステータス」としてかなり重要になっていた。 勿論勉学もそうだが、先程挙げたもの達は当…

はい！　こちらは区役所の妖課です。 え、怪異ですか。不可思議なことが起こってお困り……そうですか。かしこまりました。 私共妖課が、お調べして解決いたします。 人形の怪異が現れた…

！！！下ネタ注意！！！ ！！！下ネタ注意！！！ ！！！下ネタ注意！！！ 悪ノリして悪ふざけで書きなぐりました。ごめんなさい。 神話に語られる魔王の復活。 女神の加護を受け…

消費者（プレデター）のリスカー 生態系の消費者の立場に値する神の存在。普段はリーヴァと対立している。腰の周りにつけている六つの伸びる刃で戦う。一人称はオレで見た目も男っぽいが、女…

高校生の安彦梨々(あびこりり)は、幼馴染の小川真人(おがわまさと)に片想いしている。 学校帰りに公園で絵を描く真人を、陰ながら見守るのを日課としているが、親友である浅長玲香(あさ…

　庭にたんぽぽが咲いていた。 　私はそのたんぽぽを窓辺から眺めていた。 　ある雨の日、たんぽぽは茎から折れた。次いで友人の訃報が届く。私自身ももう長くはない。 「このままでいいの…

不思議な霧に閉ざされた半島にある、とある帝国にて。 ウルリーケは『枯れ谷』と呼ばれる辺境の土地へと向かっていた。 本来嫁入りする筈だった相手の命令により、有難くない二つ名と共に、…

貧相な才能、足りない実力、枯れ果てたやる気。そんな底辺ワナビである私でも、このカクヨムでなら何かが変わるかも！　そんな勘に従い、導かれるようにして登録してから早数年。 何もない…

物語は、おばあちゃんが大切にしていた美しい盆栽が彼女の入院とともに枯れ、おばあちゃんが元気を取り戻っても盆栽は失われてしまうという出来事から始まります。しかし、おばあちゃんは新し…

　応龍江流域の街・假睡（すいか）には立派な枯れ「井戸」があった。 　その街を守る黄一族の少年・黄垣筐（こうえんきょう）には同年同月同日に生まれた、母方の従妹がいた。 　七歳まで双…

豊穣の女神を祀った世界最小国家アリアソーンが、隣国の軍勢を前に陥落した。 多大な犠牲を避ける為に差し出されたのは、前大神官の隠し子――アリアソーンの蒼き宝玉・姫巫女アリア。 動物…

聖女候補のラウラ。聖女の守護者に選ばれた珍しい召喚士の力を持つセス。問題児のハズレコンビは他の聖女候補たちに負けずに正式な聖女となり、枯れかけた世界樹を復活させることができるのか…

東の国には、季節を司る紅葉の巫女がいる。 恋によって季節を変える巫女の相手に選ばれたのは、無骨な剣士。 ふたりは次第に惹かれ合っていく。

水が蒸発してしまったら。そんな空想を書いてみた。明るい話ではない。 地球の資源の有効利用を探求していた人類は、地球環境の変化に対応できず、水の枯れた世界で過ごすことになった。

ぼくにはいつも怪物が付き纏っている。 そいつは影も形もないが確実に存在していて、毎日ぼくを苦しませて悦んでいる。 その名は絶望。 何をしても絶望を振り払う事は無理だった。 だから…

　時は22世紀。人類が宇宙に進出し、テクノロジーやロボット工学は目覚ましい発展を遂げた時代である。 　しかし技術革新とは裏腹に、人類は頻発する異常気象と資源の枯渇に悩まされていた…

夜明けとともに開店する居酒屋「枯れ井戸」は、今日も地縛霊たちでおおにぎわい。一見楽しげな様子ですが、時代の波は彼らのところにも押し寄せているようです。