「冬 色」を含む小説

日本は南北に長いですから、場所によっては正月なんて当然雪景色ですし、場所によっては雪なんて降りませんし。これは、たまに雪の正月になる場所の、ちょっとした様子です。 自主企画『雪…

「アニメキャラみたく、羽でも生えればいいのに」 　夏休みのとある日、そんな妄言は現実となったのです。 　背中に硝子の羽が生えてしまった高校生、新崎いろは。夏休みで両親不在の彼…

一年前の冬に陸上部を辞めた岩瀬拓海は、それ以来ずっと息をひそめながら学校に通っている。どこかに痛みを抱えたまま。そんなある日、バンド活動をする友人から、ライブに来ないかと誘われる…

2006年、冬。 色弱の女子高生・小柳美晴は、美術教師の井沼と親交を深めていった。その中で、井沼の秘密に触れてしまい……。 色の識別が難しい少女と、これからすべての色を失う男の淡…

「私は──ひとりの人間に、恋をした」 ここは、とある海沿いの美術館。そこには"至高なる宝石"が展示されていた。 その名は〈アレキサンドライト〉。 彼の美しさに人々は魅了さ…

ある寒い冬の日、遠く離れて暮らす家族から届いたのは、まるで孵らない卵のようなクリーム色の湯たんぽ。 「ジェミニとほうき星」番外編。恋人たちの冬の日の一場面。 テキレボアンソロジー…

八木山動物公園駅の改札を憂鬱な顔で通り抜ける一人の女子高生がいた。 名前は修明御古都。 真新しい駅舎も、美しい街並みも、櫻で埋め尽くされた学校も 御古都にはモノクロのフィルターが…

　K大学心理学科の学生、柏木彩乃は球体関節人形に熱をそそぐ風変わりな女だった。そんな彼女と同レベルの殺人鬼が暗躍し始める。ある日の冬、講師として大学にやってきた男。彼はとんでもな…

雪の舞い降りそうに暗い、銀鼠色した雲の下。 おつかいの帰路を急ぐ小さな太郎さんが出会った、 可憐で不思議な双子の唄う、冬の歌。

　私は春が嫌いだ。 　暑苦しい夏よりも、落葉の切ない秋よりも、痛いぐらい寒い冬よりも、私は桜舞い散る春が嫌いだ。 　そしてそれと同じぐらい私は春が愛おしい。 　彼女と出会…

夭折の童話作家・灰条色を敬愛する高校生、神住月白と榊陽高。かの作家の未完の遺作が存在するという噂を聞いた二人は、大きな手掛かりを得て夜の旧図書館へ忍び込む。そこでついに『灰の国』…

大手製薬会社の内定が決まった大学四年生の榊優吾、 彼は大学生活の最後に自分が家の事情で小学五年生から高校三年まで過ごした北海道へ９日間滞在する。暖かい家族のような面倒見の良かっ…

右脳と左脳で読んでください。 読後の残り香を楽しんでいただけたら本望です。