「３６５」を含む小説

　インサイダー取引【内部者不正取引】でまさかの惨敗した自称才色兼備シャロン准将。 　35億の借金取りから逃げるため、宇宙へと漕ぎ出す。 　さあ、シャロン准将。この塵すらない宇宙…

そのニ、それを各家庭に迅速に運搬する。いいかい、大規模災害の後に必要なのは、つまりこれだ」白衣をまとった科学者はそう説明した。インターンの学生は懸命にメモを取っているが、あまり捗…

登場人物 私 店員 男 サンタクロースの方々

労働条件通知書に載っていた内容と実態が異なっているじゃないですか。

「やった！急いで拾わないと！」声の主は歓喜した。しゃがみ、硬貨を黙々と拾う。

左右均等に結ばれたそれを、二度、三度、おまけに四度。ぎゅっと縛り上げる。足の指をぐにゃりと動かし、親指から小指へ、ウェーブのように唸らせる。そして靴紐を緩める。この繰り返しだ。

まさに、どこからともなく。無から人が現れたのだ。悲痛な叫び声が響き渡る。出現した人間が、ちょうどその地点を通行していた別の人間と混ざってしまったのだ。

森に停めたタイムマシンから出ると、現地に馴染む紛争をしてある民家に近づく。窓からこっそり覗き込むと、ひとりのシュメール人の老人が木製の円盤をしげしげと眺めていた。

一体どう分類すればいいんですか。

でも仕方がないのかもしれない。彼もいい歳だし、こういうの、加齢臭っていうんだっけ。初めて出会ったのはもう随分と前のことだ。

こいつに私怨がないといえば嘘だ。むしろ、憎むべき相手だ。私に嘘の情報を流し、全てを台無しにした。しかし、今の私は違う。彼からの依頼でこいつを追い詰めたのだ。

そう、俺は別れさせ屋。あの女の彼氏の依頼で動いている。彼氏くんがどんな思惑で別れを望んでいるのか、それは分からない。

私、運転中なのよ。ええっ、取材内容の確認ですって。はいはい、分かったわよ。

拳を握りしめ、意を決して役所に入ったものの、思いのほか機械的な対応だった。ふぅん、こんなものなのか。結婚三年目、男は妻と無事に離婚した。特に直近の一年は、妻に怒られてばかりだった。

インカムを着けた女は軽快に応答した。ほうら、またカモがやってきた。「さて、どのようなご希望でしょうか」通信の向こう、男の声を聞きながら、リズミカルに打鍵を続けていく。ぼそ、ぼそ、…

あれを見てるとさ、むしろフラストレーションが溜まっちゃうんですよね」

SNSに投稿されたある文章が話題となった。死に直面した謎の人物の独白。どうやら彼（あるいは彼女）は、世界の不便を正してきたというのだ。