「笑う」を含む小説

　あらゆる世界が誕生した、始まりの日。運命の歯車も形を変えた。魂核(こんかく)と呼ばれる玉ころが、世界の狭間に落ちていく。 　千年単位の時を経た。絶えず、運命をつむいできた歯車…

恋をした。それで充分だとヴィクリアは思った。 だから。 「さようなら、オルニーイさん。次に会ったら殺します」 ――笑うこともなく、慕う彼へ最低な別れを告げた。 国に仇する悪竜・…

雨はなぜ降るのだろう。私は、こんなにも嬉しいのに。 空はなぜ晴れるのだろう。私は、こんなにも苦しいのに。

「ここじゃおまえはただの椎名蕾じゃ」 白い歯を見せて笑う彼の髪が揺れる。耳元の銀のピアスが光った。 椎名蕾は許嫁の甲斐晴臣と同居するために、都心から離れた田舎町「火崩町」に引っ…

「お前はもう、俺の妃なんだ」 　突然の告げられた言葉に戸惑う平民の少女、リオ。 　15歳にして、第三王子・ミルスの妃となる身分を与えられてしまった。 　最初は困惑しながらも、彼…

歌迷踊は風呂に入っている最中、突如として現れた鼻息が荒いおっさんに襲われそうになり……（「黒き死神が笑う日」）。 少年はリンゴで構成された生き物――アップルライオンとともに、最近…

「私」は笑う。 まるで自分のしたことが善行であると言うように。 『僕』は嘆く。 『違うこと』が世界一の恐怖であると言うように。 そして、出会ってしまった彼ら。 そして、笑う。嘆く…

　呪われているのは人か刀か。運命に見放されたはずの少年、字見懸命は今再び彼の呪われた刀を引く抜く定めに向き合う。最後に笑うは神か仏か、それとも――怪物か。異国の魔女ケイに誘われ…

かつて捨てた「絵描きの夢」が、ある日突然、高校時代の姿そのままで私の前に現れた。 「わたしはもう描けない。でも、"わたし"ならできるはずだよ。」 そう言って笑う彼女――もうひとり…

自称凡人、久能静香。 彼女のかまえる喫茶店には様々なものが集う。 警察顔負けの天才探偵。 どこにでもいる平凡な新米刑事。 根暗なホワイトハッカー。 運転技術なら誰にも負…

　この頃学内で噂になっている真・学園七不思議を個人的に調べて回っていた式根梢(しきねこずえ)は、ある日「屋上の淑女霊」を目撃して撮影するために校舎の屋上に向かい、その出入口で宇宙…

「口上の練習か。正しく体育会系、だね。」松本が笑うと、大前が、「気を緩まない練習しようって、総子が言い出して。」と言い訳した。 「ああ。武術の一つですよ、心の鍛錬もね、大前さん。…

念願の刑事部に異動になった真壁瞳子が配属されたのは、猟奇事件を扱う通称＝捜査五課だった。 そこで瞳子が出会ったのは、発達障害を持つ刑事、嶋孝志郎だった。 人と違う嶋の反応や言葉に…

　とあるゴミ捨て場の町で暮らす少年ヒビキの、怠惰で平凡な日常は異邦人の少女によって砕かれる。 　少女と自身の日常を取り戻すべく、友人達と動き始めたヒビキだったが、異邦人来訪は彼の…

　『生存』の神が降臨し、その全域をハビタブルゾーンと変えた架空の太陽系。　 　その太陽系一番の大都会、金星のアイドル・明星(ミンシン)と冥王星の歌姫ノヴァとの婚約が発表されて一年…

俺は苦しい。何故か？恋は 叶わない そう知ったからだ 今日も“あいつ”は、誰かと笑っている きっと彼氏だ、俺には、憎いけど “あいつ”が笑うなら、それで良いと思った でも── 進…

『探求士』とは 老年期の男性曰く、「好き勝手に生きる我儘な粗暴者」 老年期の女性曰く、「家庭さえも顧みないろくでなし」 青年期の男性曰く、「己の生き方そのもの」 青年期の女性曰…

ーStoryー 戦争が勃発してから3年。戦況は悪化していくばかりの国、セレタニア。古来よりこの国では、 「太陽は人間(最高聖職者)」 「月は神」 が司るものされ、神と聖職者への信…

「これからよろしくお願いします……兄さん」 幼き頃の面影を無意識に求める内に、いつしか人助けにのめり込む様になった少年・穂村総護。 彼はある日、己の従妹と名乗る見知らぬ少女・水…

イタズラに笑う彼も、ちょっと強引な彼も全て大好きだから。あたしにしかわからない彼、たくさんあるんだよ。(男先輩×女後輩)