「心理短編」を含む小説

誰もいなくなった深夜二時四十七分。 死んだはずの友人から、ひとつの「いいね」が届いた。 三年前に事故で亡くなった蒼。 そのアカウントに残った“下書きは1件だけ”のはずだった。 …

捜査一課長の机に並ぶ三つの錠剤。 二つは胃薬、一つは毒。 法では裁けない“完全犯罪の殺人者”を前に、彼は自分自身をも巻き込む賭けに出る。 容器に自らの胃薬を混ぜ、四つになった錠…

恋人を人質に取られた男は、「コイントスで100回連続、表を出せ」と突きつけられる。 何事もコイントスに委ね、決断から逃げてきた男は――運任せのままでいられるのか？ コインを弾き続…

母に甘えたくてついた“仮病”は、やがて本物の痛みに変わっていく。 嘘と真実が溶け合う少女の独白を描いた、短編心理小説。 ※一話完結です。

母は泣いた。私は笑った。 真冬の深夜、鍵を閉められて外に立ち尽くしたまま、 私はひとつだけ考えていた。 ――これは「しつけ」なのか、それともただの「狂気」なのか。 母の叫びも沈黙…

自己内部にある、閉ざされた箱についての考察、変容の観察。

1000字前後でさっと読める掌編集。 語り手もジャンルも世界観も、毎回まったく違う方向へ歪み出す。 ここにある物語は、作者のアイデアの源泉として残された小さな断片たち。 短いから…

＊読了時間約６分＊ 　あなたは、大切な人のことをどれくらい知っていますか？　琴葉は、ある日、真面目な夫の秘密を知ってしまう。それ自体は大した事ない小さなもの。　だけどそこから関係…

智也のもとに届いたのは、注文した覚えのない《MRゴーグル》。 試しにかけてみると、推しのアイドル、亡き母、友人たち── “会いたい人”がまるでそこにいるように現れた。 触れられな…

登場人物 絃葉(ゆずは)、悲観的、客観主義、ダウナー、友達少なめ、主人公？ 紗凪(さな)、感情的、元気、活発、パッション！、友達多め

完結済 全6話(21,215文字) 一晩で読み切れますが「妥当とは何か」を考える始めると眠れなくなるかもしれません。 「上手くやれないけど、僕は楽しんで生きたい。だから考え…

観測されるたびに輪郭が揺らぐ。 触れられた瞬間、私は“形”を選ばされる。 本当は── 透明のまま漂っていたかった。 それでも世界のどこかで、 私を地上へ戻す“静かな気配”があ…

女子プロレス団体アイリスレガシーの中堅選手、渚美咲。彼女はここ二年、シングルマッチで一度も勝っていない。その敗北は、興行を成功させるための「職人」の仕事だと誰もが理解していた。 …

現代、過去、未来。 十人のまったく異なる人生が、“死と自由”というただ一つの線で静かに繋がっていく。 受験に押し潰される学生。 名誉のために死ぬ武士。 責任に壊されていく政治家…

Café Lumière（カフェ・ルミエール）。光に満ちたこの場所は、高瀬葉月にとって、すべての計画が成就する舞台となる。 葉月の狂気に満ちた「仕掛け」は、親友夫婦の絆、そして夫…

山間の温泉宿を訪れた琴子は、雪の降りつづける庭と小さな池を見つめながら、娘を残して逃げてきた自分の内側が、ゆっくりと溶けていくのを感じていた。

　私の本名は、逃げ場のない呪いのようなものだった。 　借金の督促、親の湿った溜息、かつての恋人が吐き捨てた「中身がない」という呪詛。 　それらすべては、私の名前を目掛けて飛んでく…

久しぶりに外へ出た夜道で、主人公は段ボール箱に捨てられた赤ん坊を見つける。 誰にも必要とされない自分と、行き場を失った命。 一晩だけの「母親ごっこ」は、過去のトラウマと向き合う時…

小学生の「まー君」が、新しい日記帳に綴る、となりに住む高校生・まなみお姉ちゃんとの何気ない日々。 晴れた日、公園、クッキー、光合成の話。どこにでもある優しい時間が記録されていく…

気を使い続ける日々に消耗してしまった主人公。 帰り道に立ち寄ったコンビニから、少しずつ主人公の心が解れていく。 前作と同じく、掌編のつもりだった短編小説です。また、この物語も…