「咲いたので。」を含む小説

「ねえ───」 その言葉を聞いたのはいつのことだっただろうか。 遠い記憶の中に埋もれていた幼い頃の約束。 覚えているのは憎らしいくらい綺麗に桜が咲いていたことだけ。 忘れて…

心に咲いた花を集めていけば、花束が作れるだろうか。

桜が咲いた頃、死んでしまった少女のお話。

ちいさく咲いた恋のお話

ある四月の晴れた朝のことです。どこまでも広がる広い牧場に、一輪のすみれの花が咲いていました。 そこへ羊飼いの少女が現れました。 すみれは思う。もしも僕が世界で一番美しい花だったの…

小学校三年生の”僕”は母の日の当日、母親が欲しがった芍薬を買いに走った。僕の全財産をかけて、きっとこれなら咲くだろうと選んだ芍薬は、咲くのだろうか。

とある作家さんの詩に、連詩と言う形で応えるのが本拙作の基本系です。 更新は不定期で、そもそも更新出来るか分かりません。 ご容赦下さい。 20201004 『読者がお題を投げて、パ…

今は天下泰平を謳歌する極東の島国・暁津洲が、群雄割拠の只中にあった頃。八鍬国の徳永家には、「解語の花」と称される美しい三姉妹がいた。 始まりは、縁談を拒んだ一の姫の入水だった。姉…

1996年　６月　雨が強く降る日々 高校生の水無優也はいなくなってしまった幼馴染の白崎紫を助けるため、「紫陽花屋敷」へ1人で向かう。 紫陽花屋敷━━古い日本家屋で誰も寄りつかない…

本文にもあらすじがあります。 「私はマーガレット」、この話より約300年前のお話。後のマーガレットがマーガレットになる前、それは彼岸花を顔にびっしりと植えていた。 ヒガンバナと…

桜は短い春を終えて儚く散る。 その一瞬。そのひととき。そこだけで美しく咲いたとて、そこに何の意味があるのか。 ふと、風がなびく。 風に誘われ向けた視線の先、桜が咲いていた。

なんて事ない日常の端に咲いてる花や、看板。もの、マークを少しだけ不思議に変えるだけでも、世界はとっても面白い。 日常を基準とした中の、短いファンタジーをどうぞ、お楽しみください。

香坂桐子（とうこ）には、誰にも言えない秘密がある。 愛する夫にも、大学時代からの親友にも言えない。無論誰に言うつもりもない。理解されるとも思わないし、出来るはずがない。 知られれ…

大学の入学式で相原葵と松岡愛美は、出会う。桜並木の下で目を合わせた瞬間が全ての始まりだった。正反対な生き方をする二人の日常を描いた物語。

ある晴れた日にお参りに行くと、参道のすぐそばに一輪の菫《すみれ》が咲いておりました。 その数日後、私が見た夢は…… 純文学みたいな童話のつもりで書きましたが、何故かホラーになり…

平安女子ってのは、春からあれこれ始めるもんなのよ！ だから、やる気に満ち満ちたり、恋が始まったり（終わったり）、花が咲いたり散ったりするワケ！ そんな平安女子の日常、五首を覗い…

或る朝目覚めると、人々の頭に花が咲いていた。母親も父親も、道行く人も誰も彼も、素知らぬ顔で頭に花を咲かせている。それはクラス委員の嬉野あずさも例外ではなく……。ちょっと不思議な青…